らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】33 肋骨

 
「病院で自分のレントゲン写真を見て詠む」


レントゲン
写りし我の
骨と臓
亡き祖父に似て
同じに老いて
同じに死ぬらし



実はここ半月くらい咳が止まらず、ずっとゲホゲホやっていたんですが、
最近になってやっと収まってきたものの、
今度は咳をしたり笑ったりすると肺の辺りがひどく痛いんです。
なにか針で突き刺したような痛みがするんです。

ひょっとして肺炎の症状なんじゃないかと疑って、
昨日病院に行きましたら、肺に炎症はみられないとの診断でした。
なんでも咳というのは非常に胸の筋肉を使うそうで、一種の筋肉痛の症状と同じとのことです。

その時、レントゲン写真を見たんですが、
ろっ骨の並びを見た時に、真っ先にフラッシュバックしたのが、
父方の祖父の火葬場から出てきたお骨の形でした。
なにか骨がすごく似てるんです。一本一本の骨の形といい並びといい、そっくりなんです(^_^;)
まあ歯並びが似てるのと同じ感じですかね。
ここ数年、家族や親戚から死んだ祖父に面影がすごく似てきた似てきたと言われていたんですけど、
まさか骨の形まで似ているとは(^_^;)
なかなか自分の骨格を見る機会がないので、今まで気がつきませんでした。

祖父は岐阜で曹洞宗の僧侶をしておりましたが、
わりあい長寿で長患いすることなく亡くなりました。
まあ面影と骨の相似からすると、
自分も似たような人生の終焉を迎えるのかなと思い、詠みました。
今はまだ若くて健康なので、永遠に生きるつもりでいるんですけど、
やはりそういうわけではないようです。当たり前ですけれども。

なおこの歌は五七五七七七で、通常の短歌に+7の仏足石歌という形式の定型詩です。
なんでも文室真人智努の発願により奈良薬師寺の仏足石碑に記された21首の歌が
この形式だからその名がつけられたとか。
自分のはあくまで形式を真似しただけの仏足石歌風に過ぎませんけれども。

感覚としては通常の短歌で言い足りない人のために七文字追加という感じなのですが、
あまり流行らず、薬師寺のもの以外には、万葉集に1首、古事記に1首あるだけだそうです。

とうの昔に廃れてしまった形式の歌ですが、紹介がてら自分でもちょっと詠んでみました。