らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【万葉集2011】6 君なくはなぞ身装はむ

今回一番感じ入った歌は、



君なくは
なぞ身装(よそ)はむ
くしげなる
黄楊(つげ)の小櫛(こぐし)も
取らむとも思(も)はず


播磨娘子


あなたがいなかったら
どうしておしゃれなどしましょうか
櫛箱にある
つげの小さな櫛ですら
手にしようと思いません



選者は「千の風になって」の作詞作曲家で芥川賞作家の新井満さん。

新井さんは作者の「播磨娘子」の人物像を語るのですが、
非常に具体的でちょっと笑ってしまいました。

「とてもチャーミングで、小雪さんみたいな感じですかね。
清楚で、でも色っぽくて愛くるしいところもある。
そんな人からこの歌のようなことをうつむき加減に言われたら困ってしまいます。」

小雪さんを手放しで大絶賛ですね(^_^;)
新井さんは小雪さんのハイボールのCM見て、
自分も作って欲しいと思ったのかもしれないですね笑

でも播磨娘子のイメージは小雪さんかな?と個人的には思います。
初めて小雪さんの顔を見た時ちょっと般若に似てるかなと思ってしまい、
そのイメージが抜けないんですよね(^_^;)
個性ある美しい方だと思ってますよ。

しかしこの歌の場合もっと妖艶な、かつ寂しげな感じの女性の方がと思うのです。
例えば…と言われるとなかなか浮かばないんですが。

新井さんは60代半ばなんで30代半ばの小雪さんをそう思うのかもしれませんが、
世代的に思い浮かべるものが違うっていうのはおもしろいですね。

新井さんはもう一つおもしろいことを言っていまして、
どちらかというとこちらの方が重要なんです。

万葉人は皆、歌を作りながら同時にメロディをつけて歌ったのであろうと。
とすれば、ただ黙読するのは一番万葉時代から遠いんじゃないんだろうか。
新井さんは声に出して朗読し、次にメロディをつけて歌うそうです。
万葉集の読み方としてはそれが正しいのではないかと思っているとの事。

少し前に自分もブログで知り合った方に和歌を声に出して詠む重要性を教わりまして、
なるほどと思ったことがありました。

新井さんはそこからもう一歩進めてメロディをつけて歌うと言います。
そんな楽しみ方があるのかと非常に興味深い話でした。

そして番組の最後に新井さんが播磨娘子の歌をメロディをつけて歌うのですが、
ポップスのような長唄のようななんとも不思議な調べなんです(^_^;)
番組を見た方いらっしゃったら感想を聞きたいですね。

でも新井さんの言わんとすることは、自分の感性のおもむくままメロディをつければいいと、
例を示してくださったと思うので、ちょっと自分でもやってみようかと思うのでした。