らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

「鱧の皮」上司小剣

一発で題名と作者名が読めた人はかなりの実力です。

正解は「はものかわ」「かみつかさしょうけん」。

ほとんど忘れられた作家といえるかもしれません。自分も今日まで知りませんでした。

大阪の道頓堀で鰻屋を営む女将お文のなにげない一日を描いた物語ですが、大阪の風情がふんだんに盛り込まれて賑やかな感じがする物語です。
TBSテレビ「渡る世間は~」の後釜でやってもいい雰囲気ですね。

お文と一緒に店を切り盛りする叔父の源太郎、東京に失踪中の夫福造、その母お梶、その他使用人の面々など脇を固めキャラも豊富です。
お文は36歳設定ですから同年代のしっかり者の雰囲気のある女優さんがいいですね笑。

大阪弁っていうのはおおらかな感じでいいですね。
この物語も東京に失踪中の夫が大阪で叔父と鰻屋を切り盛りしている妻に金を無心してくるという必ずしも明るい話ではないのですが、大阪弁独特の言い回しが暗さを和らげています。

あと出てくる食べ物が美味しそうなんです。
関東の人はご存知ないかもしれませんが大阪の蒲焼きは美味しいんです。自分も大阪出張とかの折たまに食べに行きました。
あと善哉。もういい大人ですが結構甘いもの食べるので前に食べたのを思い出しました。

しかしながら残念なことに自分は鱧の皮なるものを食べたことがないのです。
物語の題名になっているメインの食べ物にもかかわらず…
食べたことのある知り合いによると「たくさん食べられるものではない。ある種の珍味だね。」との事ですが、彼は生まれも育ちも生粋の東京人。

関西の方で鱧の皮を習熟して愛していらっしゃる方にぜひとも教えて欲しいものです。