【美術】ゴッホ展4「パイプと麦藁帽子の自画像」
ご存知の通り、ゴッホは自画像をいくつも描いています。その数なんと40点。
その理由はモデル代を払えなかったからなどと言われていますが、
お金の有る無しにかかわらず、多くの画家達は自画像というものを数多く描いています。
今回展示されていた自画像は、フェルトペンで描いたような、ちょっと現代の漫画やイラストチックで、面白い作品です。
自らをちらっと覗き込むようでもあり、茶化すようでもあり、不器用な真面目さのようでもあります。
自分はTwitterで絵を描く人との交流があり、色々な作品を楽しく拝見させていただいていますが、
自画像って描く方、あまりいらっしゃらないんですよね。
なぜでしょう?
自画像とは最も身近にある誠に興味深い題材のように思います。
そのかわり、巷では自撮りが大流行です。
この自撮りというのは、自己のチャームポイントを引き立たせ、気に入らない部分を修正するというものが大半の様ですが、
何か異様に目の大きいものがやたら多いように思います。
漫画だと違和感ない造形も、生身だと思わず後ずさりしてしまうような
バランスの悪さを感じることも(^_^;)
自分の顔とは、最も自分の近くにありながら、鏡を見るなど意識しなければ見ることのできないものです。
また、描くというのは不思議なもので、造形を辿っているうちに、自分の意識していない、自分の気づいていない内面までを描き出してしまうこともあります。
それは意識無意識かかわらず、自分が自身をどう感じているかという事でもあり、
古今東西様々な画家たちが自画像を描いてきた理由は、
時には自画像が自分の無意識部分を描き出し、
彼らにインスピレーションを与えていたのではないかと感じます。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
ボッティチェッリ
レンブラント
ルーベンス
モネ
ルノワール
皆さんはどの自画像がお好きですか?
なお、インスピレーションといえば、ちょっと話は変わりますが、こちらの作品。
「ぼさぼさ頭の娘」ゴッホ
ぼさぼさ髪の変な髪型の少女。
まるで麦の穂のような(^_^;)
面白いでしょ。
一途に描き込むゴッホの作品の中では、茶目っ気のある、とても面白い作品に思います。
きっと彼女の髪型に麦の穂を連想して、夢中で描いたに違いない。
と勝手に想像しています(笑)