らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【美術】ウィーン・モダン6 エゴン・シーレ

今回行った美術展「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」


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https://artexhibition.jp/wienmodern2019/

 

クリムトと並べられていたシーレ。

自分はあまり知りませんで、今回はじめて、その作品を見ることができました。

 


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シーレの自画像

 

他の画家には無いなんともいえぬ味わいがあります。

彼の姿形というよりも、うまく言えませんが、生きているそのものを写し取っているという印象。

 

シーレは茶と黒の色の使い方が上手いですね。

その色合いのせいもあるのでしょうか、

とても落ち着いたシックな雰囲気があります。

 


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ひまわり


枯れたドライフラワーのようなシーレの「ひまわり」

 

今まで、自分はひまわりという作品を2つ見ました。


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まずはゴッホ

金色に輝く生命力に満ちたヒマワリ

 

 

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葛飾北斎

花弁は落ち、盛りを過ぎたひまわり

しかしギラギラとした生命力。

まるで、ひまわりが妖怪の目玉のよう。

 

 

シーレのそれは、ドライフラワーのような枯れたひまわりですが、

前の2作とは異なる生命力を感じます。

それは淡々として、ちょっと気取っているようでもあり、都会的であり、

お洒落でもあり、線が細くもあります。

 

皆さんは、3つのひまわりの作品、どれが好きですか?

 

 


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以前、自分が見たゴッホの作品に影響を受けているのでしょうか。


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ゴッホより押し出ているところが無いところが、

お洒落ともいえるし、控え目ともいえます。

芸術作品としてはゴッホの方がほとばしるエネルギーを感じさせますが、

自分が実際借りるなら、シーレの描いた部屋でしょうか(笑)

 

 

しかし、これらの作品以上に、じっくりと見てしまったのが、彼のデッサン。


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油絵では感じなかったアクの強さ、ある種の力強さ。

モデルとなった人物の思念をしっかり感じると同時に、

それを捉えようとするシーレの強い意志、意欲のようなものを感じます。

まるで、モデルの人物の思念の形をなぞりながら描いているような、

しかし、そのデッサンの太い線は画家の確固たる自信を感じさせます。

それは決して、まやかしのハッタリなどではなく、

画家その人の力量そのものだと自分は感じました。

 

 


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エゴン・シーレ

28歳で亡くなっています。

自画像からすると、40歳くらいかと思いましたが、

非常に若くして亡くなられました。

 

 

この記事で、ウィーン・モダンの記事は終わりです。

読んでいただいて、ありがとうございました。