【美術】高畑勲展1
自分は絵画を見るのが好きで、よく美術展に 足を運びますが、
見る機会が多いのは、どうしても西洋画系が中心になってしまいます。
フェルメール、ベラスケス、ゴッホ、セザンヌ、ルノワール、モネ、クリムト、ピカソといった、
世界の絵画の大きな流れを作ったと言ってもいい世界的名画が日本にやって来ます。
それでは翻って考えるに、日本人の画家で世界的に絵画の大きな流れを作った画家は誰だろうか?
考えますと、これがなかなか難しい。
まず自分が頭に浮かぶのは、江戸時代の浮世絵師である葛飾北斎、歌川広重といったところでしょうか。
最初ヨーロッパ人たちが浮世絵を目にしたのは、
日本から輸入した陶器の包み紙として浮世絵をプリントした紙が使われており、
それが最初だとも言われていますが、
江戸時代の浮世絵は、ヨーロッパの絵画界にジャポニズムと言われるに大きなうねりを作り、
印象派の画家たちやウイーン分離派のクリムトに至るまで、
その影響を受けていると言われています。
それでは明治時代の日本人画家はどうか?
彼らの作品は決して悪いものではありません。
日本人が描く洋画のあり方を模索しながら、試行錯誤しつつ、
それぞれの完成を果たしていると言えます。
しかし、それは、世界の芸術の流れを変えたと言えるかといえば、
残念ながら、そこまでは至っていないのではないかと言わざるを得ません。
しかし、この数十年、日本から発信されて、世界のアートに大きな影響を与えているものがあると自分は感じます。
それは日本のアニメーション。
西洋絵画で例えれば、フェルメール、ベラスケス、ゴッホ、セザンヌ、ルノワール、モネ、クリムト、ピカソに当たる
そうそうたるメンバーが日本に集結していて、
ジャパニメーションを創ってきたと言えます。
最近亡くなられた高畑勲さんは間違いなく、その中に挙げられる一人です。
1960年代からテレビで放映されたアニメにことごとく絡んでおり、
代表作をさらりと揚げるだけでも、名作綺羅星のごとく。
『狼少年ケン』『ルパン三世』『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』『じゃりン子チエ』など
アニメーション映画を挙げれば、
『太陽の王子 ホルスの大冒険』『パンダコパンダ』『じゃりン子チエ』『セロ弾きのゴーシュ』『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』
『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』『かぐや姫の物語』
今回、自分が行った美術展は、
このように半世紀にわたって日本のアニメーションを牽引し続けた高畑勲さんの
演出した作品の制作ノートや絵コンテなどの資料を余すことなく紹介したものです。
自分は絵心がないので、制作面のことについて大したことは言えませんが、
高畑勲作品で、心に深く残ったものについて次回から記事を書きたいと思います。
高畑勲さん、70年代にはこんなテレビアニメの演出もしていました。
皆さんご存知ですか(^^)?