【美術】ウィーン・モダン5 ウィーンのクラシック音楽
ウィーン華やかな時代、クラシック音楽も大きく花開いていました。
ウィーンのクラシック音楽と聞いて、
まずピンとくるのは、ウィンナーワルツでしょうか。
ウィーンのニューイヤーコンサートの華やいだ雰囲気は独特のものがあります。
思わず観客と一緒に手拍子したくなる愉しさがありますね。
そしてウィーンの作曲家といえば、まずはシューベルト。
19世紀初めに活躍した人です。
ウィーン・モダンで展示してあったシューベルトの肖像画。
教科書でもおなじみの肖像ですが、
物静かで穏やかな優しそうな青年です。
そして、シューベルトの眼鏡の展示もありました。
レンズは殊の外薄く、当時は高技術の薄型レンズはないでしょうから(笑)
シューベルトの視力は0.2か0.3ぐらいでしょうか。
眼鏡のレンズは丸い。角ばっているのは技術的に難しかったのでしょうか。
昔の眼鏡って丸いレンズが多いですよね。
シューベルトというと、歌曲の王ということで、
作品は多々ありますけれど、
今回は「アヴェ・マリア」を。
サラ・ブライトマンによる歌唱。
金箔を体に纏い半裸でクネクネしているサラ・ブライトマンが気になって、
いまひとつ曲に集中できませんが(^_^;)
羽毛のように軽やかで、よどみのない天女のようなアヴェ・マリア。
よく考えると金箔貼ってるし、
クリムトの世界っぽいとも言えなくもないかも(^_^;)
「シェーンベルク」リヒャリト・ゲルストル
シェーンベルクはクリムトとほぼ同時代に活躍した作曲家です。
自分はシェーンベルクの音楽をあまり聴かない。
悪くはないと思うんですけれども、続けて聴くほど好きでもない。
いわゆるロマン派くらいまでの音楽は、メロディーが自然と心にシンクロするのですが、
シェーンベルクあたりになると、そういうわけにはいかない。
ここでは、自分が一番聴くヴァイオリン協奏曲を。
♪シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 作品36 ヒラリー・ハーン(vn),エサ=ペッカ・サロネン指揮スウェーデン放送交響楽団 2007年
一言で言うと、キィーとかギャーとか響いて人を不安にさせる音楽という印象(笑)
シェーンベルクを聴くと、彼はどうしてこういうメロディーを書いたのだろうと考えさせられるのですが、
つまりは、感じるより考えさせる音楽で、音に身を浸すという感じではありたせん。
それで聴くと疲れてしまうのです。
とはいうものの、あまり聴き込んでいるわけでもないので、
これくらいで(^_^;)
しかし、そんなシェーンベルクが友人のアルバン・ベルクを書いた肖像画がこちら。
「作曲家アルバン・ベルクの肖像」シェーンベルク
黒や濃いグリーンのシックな色使いと玄人はだしの画力。
構図のバランスが悪いという人もいますが、それでもなかなかのものだと思います。
非常にいい味を出しているのではないでしょうか。
自分は作曲家シェーンベルクよりも
画家シェーンベルクの方を評価します(笑)
「グスタフ・マーラーの葬儀」シェーンベルク
グスタフ・マーラーは今もなお多くの愛好家をもつ大作曲家です。
同じくシェーンベルクの作品ですが、
先ほどのアルバン・ベルクの肖像に比べるとかなり劣る気がします。
葬儀の情景をその場で描いたものではなく、
後から記憶を辿って描いたもののようですが、
やはり細かいところの造形がぼやけていて、作品としての印象が薄い気がします。
やはりプロの画家と違って、デッサンを積み重ねていないので、
絵画としての骨格がしっかりしていないのだろうかとも思います。
しかしながら、嵐の暗い空と大風に横になびく木々が、
シェーンベルクの暗澹とした気持ちを表しているように感じます。
こちら今回の展示品ではありませんが、
シェーンベルク作マーラーの肖像
父の日に子供が描くお父さんの絵的な味わいがあります(笑)
こちらもシェーンベルクが記憶に基づいてマーラーを描いたものだそうですが、
正直、なんでこうなった感があります(^_^;)
究極に前向きに解釈すれば、シェーンベルクにとってマーラーは
お父さんのように親しみを込めた存在だったのでしょうか。
次回、ちょっとウィーンモダンから離れまして、
ウィーンを彩った作曲家たちのクラシック音楽の記事を書きます。
「月に憑かれたピエロ」「ある天使の思い出に」という副題がついた曲について。