らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015」

 

さて 今年のゴールデンウィークも、
去年行きました音楽祭 ラ・フォル・ジュルネ・ジャポンに参ります 。

このラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンは今回で11回を迎え、
通常のコンサートと異なり、チケット料金も安く、また幼児でも入場可能な、
より多くの人が聴きに行くことができるよう配慮された音楽祭です。
詳細はどうぞこちらの公式ページを御覧になってみてください。
http://www.lfj.jp/lfj_2015/

今年のテーマは、「パッション(情熱) 」ということでして、
パッションにまつわる様々な曲が演奏されます。

自分がチケットを取ったのは、次のこちら。

5月2日(土)10:00 ~ 11:00
ヴィヴァルディ:
あなた方の聖なる君主のために RV 633
スターバト・マーテル RV621
ニシ・ドミヌス RV608


5月2日(土)15:30 ~ 16:20
J.S.バッハ
2台のピアノのための協奏曲 第1番 ハ短調 BWV1060
2台のピアノのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV1061
2台のピアノのための協奏曲 第3番 ハ短調 BWV1062


5月3日(日)20:30 ~ 22:30
J.S.バッハ
ヨハネ受難曲 BWV245



バッハ、ヴィヴァルディ とバロック音楽の作曲家の大家が並びましたが、
自分は交響曲のような大編成の音楽というものをあまり好みませんで、
中規模の編成のバロック時代の音楽を専ら好んで聴いています。

今回取ったチケットはどれも甲乙つけ難いのですが、
やはり一番に挙げられるのは、バッハのヨハネ受難曲でしょう。

バッハの活躍した18世紀初めは、文字の読めない民衆へのキリスト教の布教として、
聖書を題材にした音楽が盛んに用いられました。
要は音楽を聴くことで、キリスト教というものを理解させようという意図があったわけです。
ヨハネ受難曲は、新約聖書ヨハネによる福音書にテキストを持ち、
その物語を2時間ほどの音楽にしたものです。

冒頭、イエスの元に捕縛の追っ手が迫ってくる、
その緊迫感を見事にあらわした劇的なコラール(合唱)。
この冒頭のコラールは、ある意味、
全曲が劇的に凝縮され構成されたヨハネ受難曲全体を象徴する曲と言えます。

とりあえず、冒頭のコラール部分を聴いてみてください。
YouTubeの画像は、その部分のバッハ自筆の楽譜になっていますが、
それを見ながら聴くと、
バッハがまさにヨハネ受難曲を作曲しているシーンが浮かんでくるような
臨場感みたいなものを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wep7CNNC8qM

そして、この曲を聴くのに細かいキリスト教の予備知識など必要ありません。
だってその音楽を聴くことで、聖書の話を理解させるために作曲された作品なのですから、
ある意味、音楽を感じさえすればよいのです。
あと、自分は、キリスト教にこだわる必要すらないのではないかと思っています。
この作品は、確かにキリスト教のエピソードを題材にはしていますが、
ミケランジェロダビデ像、レオナルド・ダ・ビンチの最後の晩餐のように、 
バッハのヨハネ受難曲は、それを突き抜け、普遍性を有している作品だと感じるからです。



次に2台のピアノのための協奏曲 。
こちらは2台のピアノがそれぞれに旋律を奏で、
非常に美しい流麗な音楽を紡いでゆく佳曲です。
もともとはチェンバロのための曲だったのですが(バッハの時代にはまだピアノがなかった)、
現代ではピアノでも演奏され、それぞれに甲乙つけ難い魅力があります。
そのうちの第3番 ハ短調 BWV1062はバイオリン版もありますので、
三つ併せてお聴きになってみてください。
皆さんのお気に入りはどれでしょうか(^_^)
ピアノ版https://www.youtube.com/watch?v=VKFeZVfdDqw
チェンバロhttps://www.youtube.com/watch?v=3JYx2O_6ixA
バイオリン版https://www.youtube.com/watch?v=sWe3JoidGbk


最後にヴィヴァルディの スターバト・マーテル
以前クラシックの記事で スターバト・マーテルを取り上げたことがあります。
 http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/10558133.html
その際に、このヴィヴァルディの曲も紹介させていただきました。
自分が この曲に初めて出会って感動をしてから早20年。
その演奏会をずっと探していましたけれども、今回初めて巡り会うことができました。
いまの心境としましては、20年来、心のふれあいを続けてきた文通友達に、
初めて会うドキドキ感みたいなものがあります。

スタバト・マーテルは、声楽曲ではありますが、器楽パートが非常に美しい曲です。
是非皆様にも自分が行く演奏会の演奏を
聴かせて差し上げたいと 思っていたのですが、
なんと、先に演奏会が行われたフランスのナントにおいての演奏の映像を発見いたしました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZkN5W1cxhTU
これは、自分が5月に行くものと全く同じ演奏者によるものです。
会場の雰囲気も併せまして、
あー、こういう演奏会なんだと感じていただけたらと思います。


この音楽祭は、出店なども数多く出ており、
クラシック音楽にありがちな敷居の高い雰囲気などもありませんから、
もし興味をもたれましたら、
ゴールデンウイークの銀プラついでにぜひいらしていただければと思います。
なお、新潟、金沢、琵琶湖でも同様のコンサートが同時に開催されます。
 
 
 
 


ヴィヴァルディ肖像

日本では四季のみが有名な彼ですが、
それに限らず、彼の作品のバイオリンの調べは非常に美しいものがあります。




バッハ肖像

「バッハはder Bach(小川)ではなく、全ての流れがそそぎ込むdas Meer(海)である」
と、かのベートーベンはバッハを讃えました。
バッハとはドイツ語で小川を意味し、日本語では小川さんという名字になるんですね(^_^;)