【絵画】ルノワール展 4 二つのダンス
「都会のダンス」
ルノワールの有名な2つのダンスの作品。
「都会のダンス」と「田舎のダンス」
自分は都会のダンスの男女の方に惹かれました。
都会のダンスの二人の男女の心には含みがあります。
何かお互いの気持ちを伝えきれていないもどかしさ。
女性の顔は半分しか見えてませんし、
男性のそれも、女性の影に隠れて表情が見えません。
そのもどかしさをダンスで触れ合うことによって、
確かめようとしているかのようでもあります。
ぴったりと密着するわけでなく、
何かを探り確かめるように、そっと触れ合いながらダンスする二人。
都会の男女のぎこちない、繊細な思いが見て取れるような気がします。
それに比べ田舎の男女の方はあけっぴろげです。
都会の男女のように、そっと触れるか触れないかの感覚ではなく、
ガバッと抱きついて、心よりダンスを楽しんでいます。
女性の表情も満面の笑みで、何ひとつ隠れているところがありません。
お互い慣れ親しんでいる仲で、
互いの心を探るなんてセンシティブな事は全く必要のない、
おおらかにダンスを楽しんでいる二人。
この2つのダンスの作品は、どちらが優れているというものではなく、
見る人の立ち位置やその時の心情によって、
引き寄せられるものが変わる作品だと感じます。
皆さんは、どちらのダンスに心引き寄せられたでしょうか。