らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【4月総括】

 
 
望月の
躑躅(つつじ)に浮かぶ
夜明けかな


もぞ



これは五月の誕生日の日に、早朝に散策をしていて詠んだ俳句です。
本当はこの日は望月(満月)に少し欠けていたのですが、
まあ気持ちは望月だったということで(^^;)

誕生日の記事では、皆様から温かい?冷やかしやコメントなどをいただき、
本当にありがとうございました(^_^;)
皆様のお心をしかっといただき、大変満ち足りた誕生日を迎えることができました。
感謝しております(^^)


さて、4月の【青空文庫】の読書は

「こころ」夏目漱石

の1作品のみでした。

まさに「こころ」と格闘した1カ月で、今もなお格闘中ですが(^^;)
その合間の休息に、その他の記事を書くという感じでした。

読みのツッコミ不足や理解不足は否めませんが、
今現在の自分の感じ取ったものを、
なんとかまとめることができたのかなと思います。

これは、単なる一個人が今現在感じたことを記したものに過ぎませんので、
読んでみて、私はちょっと意見が違う、自分は違うものを感じた。
というものが記事を読んだ方の心に湧いてくるようでしたら、
一連の記事は充分その役割を果たしたのではないかと思います。

最後に…とはいっても、まだ追補の記事も残してはいますが、
今回は、ちょっと「こころ」のエピソード的な話をしたいと思います。


作中の先生の奥さん(お嬢さん)の名前は静といいますが、
実をいいますと、この名前、
乃木希典大将と一緒に殉死した奥方と同じ名前なんです。
漱石は乃木大将の殉死に深い思いを抱き、
「こころ」の作中でも、先生の自殺の決意をさせるきっかけを
作った出来事として描写しています。
漱石の頭の中には、明治期を生き抜いた人間として、
乃木大将と先生とが重なる部分があったのでしょう。
そういう意味もあって、連れ合いの名前を同じにしたのかもしれません。

しかしながら、乃木大将の妻静と先生の妻静とはその運命を異にし、
先生は妻を道連れにするようなことはありませんでした。

それは乃木大将の殉死が多分に封建的な匂いの残るものであり、
明治人である先生の新しい生き方には
そぐわないと感じたからだと思われます。

そういう意味では、乃木大将の殉死は、
良きにつけ悪きにつけ滅びゆく武士的なものであったと、
漱石は考えていたのかもしれません。



さて、5月ですが、といっても既に半分過ぎておりますが(^_^;)、
通常のこつこつとした読書と万葉集、人物列伝などの記事に
徐々に戻したいと思っています。

ただ、実は、100分de名著の5月のテーマが「老子」になっておりまして、
老子」は以前から自分がこつこつ勉強したいと思っていたテーマなんです。

できれば老子的な生き方をしたいと自分自身望んでおりまして、
老子的な生き方をすれば、
Kも先生も死なずに済んだのではないかとすら思います(-.-;)

ですからこれは毎回分、自分の勉強のためにも記事にしたいと思っています。

番組のホームページはこちらです。
http://www.nhk.or.jp/meicho/
そして老子についての自分の過去記事は、こちらです。
http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/3606548.html
http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/3626560.html
http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/3727448.html
興味ある方は覗いてみてください。

ある識者は老子は詩であると言います。

最後に自分が好きな、老子の「詩」を紹介して、
この記事の締めとしたいと思います。



上善(じょうぜん)水の如し
水は善(よ)く万物を利して争わず
衆人の悪(にく)む所に処る
故に道に幾(ちか)し
居るは善く地
心は善く淵(えん)
与うるは善く仁
言は善く信
正すは善く治
事は善く能
動は善く時
それただ争わず
故に尤(とが)無し



最高の善とは水のようなものである
水は万物を助け育てながら争わず
誰もが嫌う低き低きへ下る
ゆえに道に似ている
水の位置する所は低い
心は深く静かで
与えるに分けへだてがない
言動に偽りがない
収まるべきに正しく収まる
働きに無理がない
時に従って変転流動して
窮(きわ)まることがない
水のごとく争わぬものだけが
自在な能力を得ることができる



自分も、水のように、広く静かで深い人間になりたいものです。
そして外見は天知茂さんなんですけどもね(^^;)