らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】バレンタインデーの思い出 小学生編

 
今日はバレンタインデーですね。
男性の皆さん、成果はいかがだったでしょうか。

バレンタインデーなるものは、自分の子どもの頃にはすでに盛況で、
テレビCMでも盛んに宣伝しており、
社会のイベントとしてすっかり定着しておりました。

あれは小学生の頃、
毎年のように、バレンタインデーの2月14日には、
女子主催のドッジボール大会が授業後に行われておりました。

しかしながらドッジボールとは表向きの話。
実は、それは、チョコを渡したい意中の男子を誘い出すための口実だったのです。

つまり、ドッジボール大会のメンバーとして招待されれば、
バレンタインデーチョコ資格エントリーというわけでして、
自分も一応、毎年のようにエントリーされておりました。

そして当日、ドッジボール大会の宴もたけなわの頃、
やおら女子が集まって、男子の方をちらちら見ながら、なにやらひそひそ話を始めます。
それを見た男子の方も期待感が否が応でも高まります。

しばらくすると、一人の女子がこちらにやって来て、
「○○くんと☆☆くん、ちょっとこっち来て。」
とやや頬を赤らめながら手招きします。

呼び出された男子はすでに半笑いで、
いそいそと女子の方へ向かってゆきます。

呼ばれなかった男子は?というと、
その様子を茫然と眺めて見送るのみ(-_-;)

ちょっと離れたところで、呼び出された男子たちがチョコを渡されるのを見て、
「あー、○○くんと☆☆くん、チョコもらってる~」
と羨ましそうに言うやつがいて、
まあ呼び出されなかった男子は、全員が全員そういう気持ちなんですけど、
悔しいものだから、羨ましげに呟いたそいつに八つ当たりして、
「うるさいよ、バカ、黙ってろ!」
と、かなり殺伐とした雰囲気に・・・
チョコを貰った男子が、他の男子に気を使ってか、
笑いを噛みしめながら、でも思わず笑みがこぼれ落ちてしまう、
そんな風に帰ってくる様子を見ますと、
女子に呼び出されなかった男子達のテンションは、
もう一気にだだ下がりです。
まさに坂道を転げ落ちてゆくように・・

勝者と敗者。
これほどくっきりと明暗が分かれることがあるでしょうか。

えっ、自分はどうだったかですって(^_^;)?
毎年のようにエントリーされながら、遂に受賞することなし(-.-;)
エントリーされながら受賞されないというのは、期待感が高まっている分、
生殺し感がハンパないんです。

芥川賞に何度もエントリーされながら、遂に受賞することがなかった太宰治は、
選考委員の川端康成に、
「川端康成へ」と呼び捨てにした文章を書き、その文章の中で
「刺す。そうも思った。大悪党だと思った」
と一見物騒なことを言っておりますが、
 それはある意味、ものすごく期待していたことが、
裏切られたことへの絶望の裏返しでもあります。
太宰治の生殺し感もきっとハンパないものだったのでしょう。

この時の太宰治の気持ち、バレンタインデーのドッジボール大会に限って言えば、とても共感できます(笑)

小学生女子といいますけれども、もうこの時期には、
子供ながらも大人の女性と同じ形が出来上がっている部分があって、
気のない男子には本当に残酷なんです(^_^;)
気のない男子にも、チロルチョコくらい配ればいいと思うのですが、
勝者総取りの厳しい掟が、もうこの時から始まっていたんですね。