【閑話休題】「ふうすけ」前編
弟はまだ幼稚園の時だった。
当時名古屋ではダックスはほとんど見られず、しかも黒は珍しかった。
当時名古屋ではダックスはほとんど見られず、しかも黒は珍しかった。
黒のダックスは眉毛の辺りが丸く茶色になっていて色合いがとてもかわいく(画像参照)、
そこに主人公に寄り添い、いざという時に飛行機やら自動車に変形するペットのロボット犬がいた。
その名前をとってフレンザーに決定した。
後日母が登録に行って、申請書に書かれた名前をみると「ふうすけ」になっていた。
弟は「あれほどフレンザーって言ったのに」と激怒していたが、
母は「フレンザーをかわいく呼べばふうすけだがね」と??なことを言って話は平行線だった。
怒る弟をなだめるように、父が「こいつはフレンザーって顔じゃないぞ。ふうすけって顔だぞ」と言って、
後日母が登録に行って、申請書に書かれた名前をみると「ふうすけ」になっていた。
弟は「あれほどフレンザーって言ったのに」と激怒していたが、
母は「フレンザーをかわいく呼べばふうすけだがね」と??なことを言って話は平行線だった。
怒る弟をなだめるように、父が「こいつはフレンザーって顔じゃないぞ。ふうすけって顔だぞ」と言って、
場をおさめてくれてなんとか落ち着いた。
散歩は朝は母と弟、晩は自分が担当した。
小学生になると弟は犬を飼っている友達数人と公園に散歩に行くようになった。
ふうすけは弟のかけっこの練習によくつきあっていた。
飼ったことない方はご存知ないかもしれないが、
散歩は朝は母と弟、晩は自分が担当した。
小学生になると弟は犬を飼っている友達数人と公園に散歩に行くようになった。
ふうすけは弟のかけっこの練習によくつきあっていた。
飼ったことない方はご存知ないかもしれないが、
ダックスはドイツのアナグマ狩り専門の猟犬で、短足のわりに足はかなり早い。
小学生くらいだったら追いつけないスピードで走る。
運動会の前などにはいつも二人で走って練習していた。
そんなある日、弟が自分に言った。
「兄ちゃん、ふうすけがどっちの事を主人と思っているか試してみようぜ」
弟の話はこうである。
小学生くらいだったら追いつけないスピードで走る。
運動会の前などにはいつも二人で走って練習していた。
そんなある日、弟が自分に言った。
「兄ちゃん、ふうすけがどっちの事を主人と思っているか試してみようぜ」
弟の話はこうである。
公園で自分と弟が等間隔で距離をとり、お互いにふうすけに声をかける。
ふうすけが走り寄った方が勝ちというわけである。
自分も弟もメンツがあるから位置についてお互い大声で呼び合った。
弟などは大振りなボディアクションで呼んでいた。
自分も弟もメンツがあるから位置についてお互い大声で呼び合った。
弟などは大振りなボディアクションで呼んでいた。
当のふうすけは二人の主人が離れたところから同時に呼び合うので、
困ってしまって尻尾を振りながら、くるくる回ってどちらにも行きかねていた。
弟の方に数メートル行っては自分の呼びかけにまた戻り、またその逆もありで、
弟の方に数メートル行っては自分の呼びかけにまた戻り、またその逆もありで、
しばらくの間そういう状態が続いた。
すると突然何を思ったかふうすけは呼び合う二人の間、
すると突然何を思ったかふうすけは呼び合う二人の間、
ちょうど、ど真ん中を全速力で駆け抜けて走って公園から出ていってしまった。
リードを外していたので自分と弟は急いで後を追った。
が、もう夕方で薄暗く、ふうすけも黒色なので姿を見失ってしまった。
しばらくして仕方なく二人で家に帰り、母に「ふうすけが逃げちゃった」と告げると、
しばらくして仕方なく二人で家に帰り、母に「ふうすけが逃げちゃった」と告げると、
「あんたたち何言っとるの。ふうすけならさっき一匹で帰ってきて、こたつの中で寝とるがね」
と呆れ顔で言った。
弟とこたつ布団をあげると中でふうすけが寝そべっており、
弟とこたつ布団をあげると中でふうすけが寝そべっており、
自分達の顔を見るんだか見ないんだか少し薄目を開け、またすぐ寝てしまった。