らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

あ行の作家

「燕と王子」有島武郎

「燕と王子」という題名を見ただけでぴんときた人もいらっしゃるかもしれません。これはオスカー・ワイルドの「幸福な王子(The Happy Prince)」を翻訳したものです。作家の翻訳ものは翻訳家の翻訳と違って、やはりより文学的香りがほのかに漂う素晴らしい…

「カインの末裔」エピローグ 有島武郎

先日「カインの末裔」の記事を書きましたが、作者の有島武郎について、今日ではあまり語られることがないので少々述べようと思います。有島武郎(1878~1923)は旧薩摩藩士の子として生まれました。 父は北海道の土地を払い下げられた大地主であり、…

「カインの末裔」有島武郎

カインとは聖書における人類の始祖アダムとエバの長男で、弟アベルを殺すことで人類史上初の殺人犯となった者のことです。この罪によりカインは今まで住んでいたところを追われ流浪の身となりました。「カインの末裔」という題名から何かスマートな印象をも…

「最終戦争論」石原莞爾

1960~70年代に西洋の雄アメリカ合衆国と東洋の盟主大日本帝国が激突し、人類の半分は死滅するも大日本帝国が勝利し世界を統一し地球に永久平和が訪れる。この話を読んで皆さんはどう思っただろうか。今流行りの架空戦記小説のあらすじ?と思われたか…

「一握の砂」後編 石川啄木

先日、石川啄木独自の打ちひしがれ感というか、挫折感というかが今ひとつ気になって、敬遠気味という趣旨の発言をしました。草に臥ておもふことなしわが額に糞して鳥は空に遊べりという詩はまだかわいい感じですね(笑しかし少年の心、望郷、旅立ちといった…

「一握の砂」前編 石川啄木

頬につたふなみだのごはず一握の砂を示しし人を忘れず題名の「一握の砂」は、土葬の際、参列者が一握りの砂を棺桶にかける風習からきているそうです。石川啄木は日本文学史上でも最も有名な人物の一人であり、教科書でも頻繁に取り上げられる存在ですが、自…