【美術】特別展 三国志1 魏蜀呉の風俗文化
これは一応、自分です(笑)
この特別展 三国志では武将メーカーという、
写真を取り込んで三国志風の人物に仕立ててくれる遊びがありまして、
独りやってみて悦に入るところがあります。
三国志好きの皆さん、ぜひやってみてください。
https://sangokushi-maker.jp
関羽像 青銅製
今回の目玉の展示のひとつです。
三国時代から千数百年経った明の時代に作られたもの。
その造形はとても美しい。
三国志の英雄に対する憧れと敬意が作品に表れています。
これを見ていた時、ふと頭に浮かんだのが秦の兵馬俑。
この関羽像が造られる前、二千年の時の開きを感じさせず、
秦の兵馬俑もこの関羽像に劣るものではありません。
中国という国はすでに二千数百年前に非常に高度な文化技術を持っていたのだと思い知らされます。
玉豚
豚をかたどった玉器で、葬式の時、死者の手に握らて葬ったもの。
死後の世界でも豚肉が食べられるように、そして子孫繁栄の願いを込めて手に握らせたとのこと。
そんな風習があるの初めて知りました。
当時豚肉というのは食品として広く人々に流布していたのでしょう。
牛肉も食べていたはずですが、どちらが広く食されていたんでしょうね。
その他に例えば、鶏肉や馬肉なども食したんでしょうか。
三国志演義には鶏肋の話がありますけれども。
敷物の四隅に置かれた豹の重し。
敷物が薄くて風でめくれてしまうため、
それを押さえるためのもの。
ペルシャ絨毯のような厚みのある敷物は当時無かったんでしょうか。
ペルシャ絨毯の材料たる羊毛のようなものは手に入らず、
高貴な家では絹の敷物だったのかもしれません。
今回、呉の土器を見ると、
一気に日本人として親近感がわきます。
この土でできた作り物が、日本で同時代の邪馬台国の卑弥呼の時代に
発掘されたとしても、あまり違和感がありません。
やはり日本人は中国の呉の方から大きく流れてきたのかなとも感じます。
世界史的に金細工というのは騎馬民族がよくしたと言われます。
三国時代の魏の支配した華北にはその色が濃く表れており、
それに比べると、南方はまだまだ素朴な感じがあります。
文化的には南方は華北に比べかなり遅れていたのではないかとも感じます。
食器の展示で面白かったのは、現代の日本では箸は横向きに、
中国や韓国では縦向きに置くとのことですが、
三国志の時代の中国では、現代日本と同じく横に置いていたとのこと。
古代中国の風習が日本に伝わって、大陸は異民族の侵入などで風習が変わり、
昔ながらの中国の風習が日本に残ったという感じなのでしょうか。
高床式倉庫の土器
高床式倉庫と言うと日本の弥生時代を思しますね。学校でも習います。
多分米作が伝わったとほぼ同時に中国から伝わったんでしょうね。
厠圏の土器
古代のトイレ。
汲み取り式ではない、水洗ならぬ豚洗。
排泄物を豚が食べる方式。
ちょっと前まで中国の農村で見られたそうです。
排泄物を食べて処理してくれるんだから、非常に衛生的ともいえますね。
ゲーム盤
どんなゲームかは伝われていないそうです。
伝わっていれば、そのルールからその文化はどういうものだったかを知ることもできるのに残念。
墓の副葬品としておさめられていたそうで、
葬られた人はこのゲームが好きだったんでしょうね。
当時の風俗がわかります。総じて皆表情が朗らかです。
琴を弾く男
当時の蜀、今の四川省重慶で発掘されたものだそうです。
2世紀から3世紀頃のもの。
諸葛亮も弾いたといわれる琴ですが、
同じようなものだったんでしょうか。
何をしているか分かりますか
調理をしている人。
子供の粘土細工みたいです(^^)
結構リアルな犬。
尻尾が可愛くありません?
以上のように三国時代の人々の風俗を見ると意外に古代な印象があります。
呉の南方あたりは、三国時代から遡ること 数百年の秦の時代と
そう大差ないようにも感じます。
しかし驚くべき合理的な技術がこの時代に存在していました。
次回はそれについて書きます。