らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】三国志 前編



今回はゴールデンウイーク真っ只中ということで、
肩から力を抜いた記事を提供しようと思います(いつも抜いている気もしますが)。

ここ数年、世の中は三国志ブーム。
しかし自分は世のブームに先駆けて三国志を読み始めていた。

あれはまだ昭和の時代、小学3年生のことだったと思う。
お正月にお年玉をもらい本屋に向かった。
特に意中のマンガも無かった自分は、目をつぶって本屋の棚からアトランダムにマンガ本を拾い、
その結果残ったのが、山上たつひこ「がきデカ」と横山光輝「三国志」だった。

どちらか決めかねたので一緒にいた4歳年下の弟に
「右か左どちらか選んで」
と選択を弟に委ねた。
その結果選ばれたのが横山光輝「三国志」だった。
あの時弟が「がきデカ」を選んでいたら自分の運命は大きく変わっていたかもしれない。
という意味で弟にとても感謝している。





       
家に帰って読み始めると異様に髯の長い青竜刀を持ったおじさんが
次から次へと関所の役人を倒しまくって突破していく話だった。
今から思うとそれは関羽の千里行といって
曹操の所から主君劉備の元へ苦難の末帰るという名場面だったのだが、
当時はそんなこと知る由もない。
しかし妙に惹きつけられるものがあり続きを読みたくなった。

最初に買ったのは18巻だったので続きが読みたければ19巻を買うべきなのだが、
なぜか表紙絵がかっこよかった5巻を買ってしまった。



5巻は董卓軍対連合軍の戦いのいわゆるオールスターキャストが総出演する大合戦の巻だった。
個性ある武将が入れ替わり立ち替わり一騎打ちを挑んでいくシーンに田舎の少年は一気に魅入られた。

母親に頼んで毎月2巻ずつ買ってもらうことにした。
この時母親にうまく伝えられなかったので5巻と18巻は家に2冊ずつある。

何冊かたまったところで学校に持って行って親しい友人にマンガを貸した。
すると友人もたちまち魅入られ三国志仲間となった。
小学校の卒業文集に尊敬する人を記入する欄があり、
クラスの他の人は「お母さん」「野口英世」「ナイチンゲール」などなどだが、
自分とその仲間は「諸葛孔明」「趙雲子龍」「関羽雲長」など各々マニアックな名前を書いてしまっている。


諸葛孔明の登場は子供心には衝撃だった。

今まで苦戦していた曹操配下の武将達を苦もなく打ち破っていく。
横山光輝氏の筆も孔明登場から赤壁の戦いまでの21~26巻までが一番冴え渡っていたような気がする。
この頃三国志はどうやら実話らしいという話を聞き、
こんな人物が実在したのかと当時は本当に驚いた。

しかしご存知の通り、三国志は終盤になると主要人物が次々と死んでいく。
その一番最初関羽が死んだ時は本当にショックだった。
卒業文集に尊敬する人「関羽雲長」と書いた友人は具合が悪くなり学校を休んだ(笑)

当時は三国志といっても横山光輝氏のマンガと吉川英治氏の小説くらいしかなかった。
吉川英治氏の小説は小学生には少々難しく、
自分が初めて読んだのは中学2年くらいだった。
当時はネットもなかったので、その時初めて三国志の英雄達が最終的にどんな運命をたどるのか知った。


                                                     続く