らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【映画】日本沈没 1973年版













自分が子供の頃の年代はオカルトものがとても流行りました。
その中で今回はこの作品を紹介します。
1973年公開なので映画館で見たわけでなく、テレビの放映で見たものです。

日本は火山列島と言われて久しいですが、
その火山活動が活発になって日本列島が海に沈んでしまうというもの。

日本沈没を避けられないということを知った時、人々は大きなショックを受けます。
この後自分はどうしたらいいのかとオロオロしてへたり込んでしまう者、
何とかしてこの場を打開しようと懸命に努める者等々
様々な人間模様が浮かび上がります。

自分が子供の頃、この映画を観た印象は、
今まで家族と暮らしていた家や、友達と遊んだ公園や学校がなくなってしまうこと、
仲の良かった従兄弟や小学校の友達、そして下手すれば両親兄弟とも
離れ離れに散り散りになってしまうかもしれないという絆が立たれることへの恐怖。

その気持ちを一言で言えば、何ていうんでしょうかね。
心細い何とも言えない気持ちなんです。


こんなことは実生活では経験し得ないと思っておりましたが、
最近ちょっと似たようなことがありました。
そう、ヤフーブログの閉鎖です。

今まで記事を書いていた場所がなくなり、
そこを基盤に多くの人々と交流していたのに、
それがブログもろとも消滅してしまう。
まさにプチ日本沈没と言ってもいいかもしれません 。

人々の対応の仕方も、映画の人々とほぼ同じです。
新たに活路を見出そうと動き出す者、
消えゆくヤフーブログと運命を共にし、やめようとする者。

映画では、いよいよ日本沈没が間近に迫った時、
「何もせんほうがええ」という極めて印象的なセリフがありましたが、
確かに自然の営みであれば、自然の一部である人間も
それと共に運命を共にするというのも一つかもしれませんが、
今回のヤフーブログ閉鎖は人が為したことゆえ、
人が知恵を絞ってクリアすることができるのではと思うところ大ではあります。




ところで、この日本沈没のパロディ映画に「日本以外全部沈没」という映画があります。



世界の日本以外の全ての陸地が沈没して、世界中の人々が日本に集まってくるという内容ですが、
そこには悲壮感が全くありません。
どうしようと前途に多難は感じますが、
日本沈没のようにぽっかり穴の空いた喪失感というものはまるでない。

日本沈没は笑えませんが、日本以外全部沈没は笑えるんです。


この違いは何か。
やはり自分たちが安心して長年なじんでいた所が無くなるというのは、
いかに心にダメージをもたらすかということなんでしょうね。
一所懸命という言葉が表すように、一つの所でじっとこつこつ頑張る日本人にとっては特に。

これが一つの所で頑張らない遊牧民族のような人々だと、また話は変わってくるんでしょう。
彼らは豊かな草原を求めて移動していきますから、
これから海の下に沈もうという土地と運命を共にするなどというのは、愚か者がすることと思うでしょう。

ですから我々も遊牧民族の彼らを見習って、無くなってしまう場所をいつまでも嘆くよりも、
より豊かな場所を目指して、情報をしっかり集め、
あまり細かいことにこだわらず、いちにのさん、えい、やーと、
コミュニティごとおおらかにポンと移動するのがよいのかもしれません。