【閑話休題】41・9℃の熱の中で垣間見た世界
自分はインフルエンザと肺炎を併発しまして、今は復調傾向なのですが、
今回は免疫が下がって重症化してしまいまして、40℃以上の熱が数日続きました。
それでたまらず病院で点滴を打ってもらっていたのですが、
その時、最高体温41・9℃を記録しました。
その際、点滴を受けながら夢かうつつかの状態で見た鮮明に覚えている映像のスケッチです。
自分は人気(ひとけ)のない建物の外壁に置かれている石の椅子にうつむき加減に座っていました。
頭まですっぽりかぶる修道僧のような、まさにこんな感じの服を着ていて、
自分はフードを深めにかぶりながら、ひたすらに浅く薄く呼吸を繰り返していました。
まわりはしんと静まり返って自らの呼吸の音だけが聞こえる世界。
真夜中の冬でした。
本当に静かで、あたりは人の気配が全くせず、まるでジョルジョ・デ・キリコのような世界。
ふと右側に視線を動かすと、石畳の道が緩い登り坂になっており、
その先から眩い白い光が発せられていて、自分のいる足元まで照らしています。
なんだろう?とは思ったものの、導かれるまま石畳を上って行く気にはなれず、
そのままじっと座っていると、
ふいに女性が自分の名前を呼ぶ声がして、
その景色は雲散霧消し、現実の世界に舞い戻りました。
大変な高熱で朦朧としていたのですが、その中でくっきりと記憶に残っている不思議な世界。
見ていたのは一瞬だったかもしれません。