らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【古今和歌集】1 昨日こそ 早苗とりしか

 

                   
 
 
 
 

 
昨日こそ
早苗とりしか
いつの間に
稲葉そよぎて
秋風の吹く


詠み人知らず


つい昨日
田植えをしたと思っていたのに
いつの間にか
稲穂をそよがせて
秋風が吹いている


 

この歌は今から千年以上前に、
いにしえの古人が、時の流れに対する思いを詠ったものです。

現代人の我々も、この古人と全く同じ思いを抱いておりますので、
彼らの遺伝子が、確実に現代の我々にも受け継がれているんだなと感じます。


同じような趣旨の詩で

光陰矢のごとし

という中国の唐詩の一節がありますが、
いい意味でも悪い意味でも知識人的な、
いわゆるシャープで知的な感じはしますけれども、
実感として肌感が合うといいますか、心がよりフィットしますのは、
この詠み人知らずの歌の方であるような気がします。

四季がめまぐるしく移り変わるこの風土で、
ずっと米作りをしてきた日本人らしい歌ではありませんか。
 

日本人らしいといえば、そういえば小学生の時、
同級生に稲葉美穂という名前の女の子がいましたが、
よくよく考えたら、名前の全てが稲づくしで、
まさに日本人ならではの名前ですよね(^_^;)

その他、早苗とか瑞穂とか一般的によく使われる女性の名前も、
稲作と非常に関わりの深いものが結構あります。
女性の名前は稲作になじむ何かがあるのでしょうか。
昨今流行りのキラキラネームに「光香(ぴりか)」という名前があるそうですが、
これとて何か新しい米の銘柄を彷彿とさせるものがあります(^_^;)


これに比べると、男性は、稲や米にまつわる一般的な名前が、
意外にあまりないように思います。
稲本米造とか、田中豊作とか、たくさんいてもよさげですが(^_^;)

ちなみに自分は、残念ながら?
田、稲、米といった稲作に関連する漢字を名前に一文字も持っていません。

日本に一番多い名字は、おそらく「~田」という名字でしょうね。
それだけ日本では稲作というものが、いにしえの昔から深く人々に根ざして、
受け継がれてきたといえるのでしょう。
 
 
 
参考サイト「田族の名字」