【閑話休題】西洋剣レイピア
最近西洋剣レイピアに関するこんなニュースがありました。
「秀吉から拝領」伝承の十字形洋剣、400年前に国内製造が判明
滋賀県甲賀市水口町の藤栄神社に伝わる十字形洋剣「水口レイピア」が、約400年前にヨーロッパ製のレイピア(細形洋剣)をモデルに国内で制作されていたことが分かった。
水口歴史民俗資料館(同市)などが共同研究成果を3日の国際博物館会議(ICOM)京都大会で発表する。
国内に現存する唯一のレイピアで、アジアでもその存在は知られていない。
関係者は「時の権力者が南蛮人から入手し、好奇心から複製を作らせたという東西文化交流の一つの在り方を示す希有な事例」としている。
十字形洋剣は、戦国武将加藤嘉明が豊臣秀吉から拝領したとの伝承がある。
嘉明を水口藩主加藤氏の祖として祭る同神社が所蔵し、1987年に同資料館に寄託された。
共同研究は東京文化財研究所の小林公治氏ら国内外の専門家グループが6年前から実施。
その結果、17世紀前半のレイピアを基に国内の技術を結集して制作された精巧な模造品とみられることなどが判明した。
献上されたレイピアを模造して日本国内で制作していたというのが、
好奇心旺盛な戦国時代の日本人らしいですね。
レイピアは両刃の細みの剣ですから、高度な製鉄技術が必要だったはずです。
しかしそれが出来たということは、約100年間の戦国時代を経て、
日本の製鉄技術も相当 に高度なものに達していたと言うべきでしょう。
ところで、このレイピア。
剣の中でも可憐な感じで、ネーミングも女性っぽいことから、
実は、もしメスの猫を飼うなら、レイピアという名前にしようと思っていたんです。
レイピア(イメージ)
しかし実際に飼ったのはオスの大きなメインクーンで、
西洋の騎士が馬上より用いる大きな槍ランス というわけです。
それに伝説の騎士ランスロットの名前をひっかけて、ランス(ロット)と名付けました。
ところで西洋剣は、レイピア、ランスの他にも、 ソード、ダガーなど色々な種類がありますが、
なぜ日本では実際の戦場で広まらなかったのでしょうか。
おそらく鉄砲とほぼ同時に入ってきたので、より威力のある鉄砲に注目が向き、西洋剣はそれほどでもなく、
装飾品の類に止まったというところでしょうか。
自分は剣について全く詳しくないのですが、
日本刀は片刃なのに対し、西洋剣は両刃だそうで、その使い方もかなり異なるとか。
そういうことも関係しているかもしれませんね。
アレクサンドル・デュマ「三銃士」より
もし装飾品としてもてはやされたのであれば、信長などは好んで用いそう。
信長愛用の義元左文字の脇に、レイピアも差していたかもしれません。
義元左文字
桶狭間の合戦で今川義元より獲得し、本能寺の変まで傍らにあった信長愛用の剣
戦国武将ってちょっと今の感覚に無いオシャレな感じありますよね。
孔雀的といいますか(笑)