らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【万葉集2018】2 雨雲をほろに踏みあだし












雨雲を
ほろに踏みあだし
鳴る神も
今日にまさりて
恐けめやも


県犬養三千代


天の雲を
ばらばらに踏み蹴散らして
鳴る雷神でも
(帝に初めてお会いした)今日以上に
恐れ多いことがありましょうか




夏の終わりになって、暑さが地上に溜まってくると、
夕立が降ることがよくあります。
その夏の夕立につきものなのが雷。
自分の住む横浜でも、夕立に伴う雷がちょくちょくあり、
その派手な稲光と、太鼓を間近で思い切り叩いたような迫力ある雷鳴は、
オフィスで仕事をしていても、中の人間がほぼ全員、
思わずおおっ!と窓の外を見てしまうほどです。

その雷の威力というのは、千数百年前の万葉の世から畏敬の存在だったようで、
この歌は、帝に初めて拝謁した時の恐れ多い気持ちを、雷に託して詠んだものですが、
雷は神鳴りに通じると言いますから、
まさにそれは雷に打たれたような出会いであったのでしょう。

なお、雷には稲妻という別名もありますが、
両方とも大和言葉で古来から日本に存在するもののようです。
稲が黄色く実る前に夕立が多いと、つまり夏が暑いと、稲がよく実るということで、
それを稲に寄り添うものとして稲の妻、
稲妻と呼ぶようになったと言われています。

さてこの雷、どちらかと言うと、
ビジュアル的に派手な雷光の方が注目を浴びがちですが、
自分は雷鳴の方に興味をそそられます。

何度聞いても太鼓が破れんばかりに、どどんと打ち鳴らされるような音、
昔の人が描いた雷神も太鼓を背負っていますから、
やはり同じことを考えていたんでしょう。







俵屋宗達作「雷神」







湛慶作「雷神」



しかし、雷神がこのような太鼓を背負った姿というのは、世界でもユニークなもののようです。
こちら世界雷神図鑑というイラストですが、





太鼓を背負っているのは日本の雷神だけで、
世界の他の地域のそれはそうではありません。

要は日本の雷というのは雷光を目で感じるだけでなく、
音にもインパクトある、雷鳴がごく間近で落ちる感覚の、
非常に身近なものであったのでしょう。


ちなみに人間以外の動物にとっても、雷というのはやはり驚きの対象であるようです。
こちらの動画の猫ちゃん、ちょっとかわいそうですね(^_^;)
https://youtu.be/JahN8fHjKBg


ちなみにランスは雷初体験の時、
垂直に50CMぐらいジャンプして驚いていました。
それがあまりにも垂直ジャンプなので思わず笑ってしまいましたが、
残念ながら、その映像を収めることはできませんでした(-_-;)

その後、雷が鳴るたびに、 スマホのカメラを構えるのですが、
今ではすっかり慣れてしまって、いくら雷が鳴っても全く驚きません(^_^;)







雷なんて全然平気平気
雷神かかってこいや~