らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

「猫のうた」室生犀星 動物詩集より






猫は時計のかはりになりますか。
それだのに
どこの家にも猫がゐて
ぶらぶらあしをよごしてあそんでゐる。
猫の性質は
人間の性質をみることがうまくて
やさしい人についてまはる、
きびしい人にはつかない、
いつもねむつてゐながら
はんぶん眼をひらいて人を見てゐる。
どこの家にも一ぴきゐるが、
猫は時計のかはりになりますか。





猫好きの文学者というのは結構たくさんいます。
夏目漱石大佛次郎梶井基次郎三島由紀夫などなど、
猫をモデルとした作品や彼らが猫とたわむれる写真などが数多く残されています。

室生犀星もその猫好きな文学者のひとりで、いくつかの猫に関する作品があります。


今回紹介した「猫のうた」は、その中でも、
作者の猫を見る、落ち着いた穏やかなやさしい心が透けて見えるような作品です。

猫は時計のかはりになりますか。
という問いかけは、ちょっと謎めいた不思議な感覚のする言葉ですが、
それがつかみどころのない、猫のかわいらしさを表しているようにも思います。

まあ、猫と干物の相性は抜群といえるでしょう(笑)








室生犀星と愛猫ジイノ













いつもねむつてゐながら  はんぶん眼をひらいて人を見てゐる。

というよりは、

しっぽの間からぱっちりと目を開いて 隠れているつもりでじっと見てゐる。
という感じですが、うちのランスは(笑)