らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】淋しさや孤独について 長渕剛




「Captain of the ship 」長渕剛


じめじめと暗く腐った憂鬱な人生を
俺は憎んでばかりいた
叩かれても突っ伏したまんまただ
頭をひしゃげて生きてきた
えげつなさを引っかけられ
横なぐりの雨が頬を突き刺したとき
我慢ならねえたったひとつの俺の
純情が激烈な情熱に変わる

正義ヅラしたどこかの舌足らずな
他人の戯言など叩きつぶしてやれ
眉をひそめられでしゃばりと罵られても
いい人ネと言われるよりよっぽどましだ
ガタガタ理屈などあとからついて来やがれ
街は自由という名の留置場さ
あんな大人になんかなりたかねえと
誰もがあのころ噛みしめていたくせに

Captain of the ship Oh! 明日からお前が舵を取れ
Captain of the ship Oh! 生きる意味を探しに行こう
ヨーソロー 進路は東へ
ヨーソロー 夕陽が西に沈む前に
ヨーソロー 確かな人生を
ヨーソロー 俺たちの船を出す

こんな理不尽な世の中じゃ
真実はいつもねじ曲げられてきた
だけど正直者がバカをみてきた時代は
もうすでに遠い昔の戯言さ
だから差別も拾え 苦しみも悲しみも拾え
ついでに神も仏も拾ってしまえ
根こそぎ拾ったらあの巨大な大海原へ
すべてをお前の両手で破り捨てろ

ああ この潔さよ
明日からお前がCaptain of the ship
いいか 羅針盤から目を離すな
お前がしっかり舵を取れ
白い帆を高く上げ
立ちはだかる波のうねりに突き進んで行け
たとえ雷雨に打ち砕かれても
意味ある人生を求めて明日船を出せ

Captain of the ship
Oh! こんな萎えた時代だから
Captain of the ship
Oh! 噛みつく力が欲しい
ヨーソロー 進路は東へ
ヨーソロー 夕陽が西に沈む前に
ヨーソロー 意味ある人生を
ヨーソロー ただ生きて帰って来ればいい


いつだってひとつの時代は
たった一夜にして
すべてがひっくり返るものだ
たとえ不安という高波にさらわれても
俺たちは生きる為に生まれてきた
上でもなく下でもなく
右でもなく左でもなく
ただただひたすら前へ突き進め
馬鹿馬鹿しい幻に惑わされる事なく
ただただ前へ突き進めばいい

あらゆる挫折を片っぱしから蹴散らし
高鳴る鼓動で血液が噴き出してきた
俺たちの魂が希望の扉を叩くとき
太陽よお前は俺たちに明日を約束しろ
そうさ 明日からお前がCaptain of the Ship お前には立ち向かう若さがある
遙かなる水平線の向こう
俺達は今寒風吹きすさぶ嵐の真っただなか

Captain of the ship
Oh! 孤独などガリガリ喰い散らかしてやれ
Captain of the ship
Oh! 吠える海の力を命に変えろ
ヨーソロー 進路は東へ
ヨーソロー 夕陽が西に沈む前に
ヨーソロー 確かな人生を
ヨーソロー 俺たちの船を出す
ヨーソロー 進路は東へ
ヨーソロー お前が舵を取れ!
ヨーソロー こんな萎えた時代に
ヨーソロー 噛みつく力が欲しい

もっと心で話をしてくれ!
もっと本当の事を聞かせてくれ!
怖がらず ためらわず 腐らず ひるまず
自分を信じて自分を愛して
決して逃げるな 逃げるな
お前がやれ お前がやれ お前が舵を取れ
死んでいるのか 生きているのか
そんな腐った目で人間を見るのはやめろ

生きてくれ! 生きてくれ! 生きてくれ!
おまえの命は生きる為に流れている
人間だ! 人間だ!
たかだか俺もお前も人間だ
決して奢るな 決して高ぶるな
決して自惚れるな
一歩ずつ一歩ずつ確かな道を
お前がどうするかだ
お前がどう動くかだ
お前がどうするかだ
お前がどう動くかだ

決めるのは誰だ
やるのは誰だ
行くのは誰だ
そう お前だ! お前が舵を取れ
お前が行け
お前が走れ
お前が行くから道になる
前へ 前へ 前へ 前へ
ただただひたすら前へ突き進めばいい
わかるか! わかるか! お前が決めろ
お前がしっかり舵を取れ

人間をなめるな! 自分をなめるな!
もっと深くもっと深く もっと深く愛してやれ
信じてくれと言葉を放つ前に
信じきれる自分を愛してやれ
感じてくれ! 感じてくれ!
幸せはなるものじゃなく 感じるものだ
早く行け! 早く行け!
立ちはだかる波のうねりに突き進んで行け

今すぐ 今すぐ 今すぐ 今すぐ
白い帆を高く上げ
お前はお前の弱さを叩きつぶせ
先ずは自分に打ち勝て 打ち勝て! 打ち勝て!
行け 行け 行け 行け
お前の命は生きる為に流れている
行け 行け 行け 行け
お前の命は生きる為に流れている

生きて 生きて 生きて 生きて
ただただ生きて帰ってくればいい
生きて 生きて 生きて 生きて
生きて 生きて 生きて 生きまくれ!
生きて 生きて 生きて 生きて
お前の命は生きる為に流れている
生きて 生きて 生きて 生きて
お前の命は生きる為に流れている

お前が決めろ お前が決めろ お前が決めろ
お前が舵を取れ!
お前が決めろ お前が決めろ お前が決めろ
お前が舵を取れ!
お前が決めろ お前が決めろ
そうさ 明日からお前がCaptain of the ship
お前が決めろ お前が決めろ
そうさ 明日からお前がCaptain of the ship

ヨーソロー ヨーソロー
ヨーソロー ヨーソロー
ヨーソロー ヨーソロー
ヨーソロー ヨーソロー





前回、森田童子さんが亡くなられたことに絡めて、
彼女の歌の淋しさや孤独といったものについて書きましたが、
今回の、この長渕剛さんの「Captain of the ship 」の曲調は、
彼女のものとは全く真逆のように聴こえます。
だが、その言わんとする心根は同じだと感じます。
それは自分が世の中から取り残されていくような淋しさ、そして孤独。

しかし、そんな淋しさ、孤独への対し方は極めて対照的です。
森田童子さんが孤独に身を任せ、そのまま静かに一緒に流れていくようなのに対し、
長渕剛さんのそれは、抗って抗って、これでもかというぐらい抗う。
それでも、淋しさや孤独からは逃れられないのかもしれない。
しかし、それでも彼はもがいて、もがいて、もがきまくる。
その必死さは、ある意味、滑稽ですらあります。

1980年代後半に製作された長渕剛主演のヤクザもののドラマで、
長渕さん扮するヤクザが最後、チンピラたちにメッタ刺しにされて、
もがいて、もがいて、もがき苦しみながら
血まみれの地べたを這いずり回ってもなかなか死なない笑
そのシーンは象徴的といえるでしょう。

森田童子さんは孤独に対し抗うことなく、ひっそり静かに眠るような、
ある種の優しさと穏やかさがあります。
それに対し、長渕剛さんは孤独に対し、のたうち回って、のたうち回って、
その激しさと騒々しさは、ある種迷惑ですらあります笑

しかし、孤独に抗って、もがいてるうちに何かにぶち当たるかもしれない。
それはまさに生きるということそのものだともいえます。

長渕さんはCaptain of the shipに託して、それを15分間歌い続けている。

この歌はダイジェストで聞いてはいけません。
15分間もがいてもがいてもがきまくって、抗って抗って抗っている、
諦めの悪い、それを全て聞かなければ、彼のメッセージは伝わらないと感じます。

自分は森田タイプか長渕タイプかと問われれば、
元来諦めの悪い性質から、長渕タイプと言えなくもない。

もぞさん、悩み無いでしょ、とよく言われるキャラではありますが、
帰宅後の風呂の中で、
「生きて 生きて 生きまくれ!」
「そんな腐った眼で人間を見るのはやめろ!」
とシャウトすることもしばしば笑


森田さんと長渕さん、どちらが正しくて間違っているということではありません。
いや、両方とも正しいと言うべきでしょう。
なぜなら、タイプは違えど、二人とも、淋しさや孤独というものに対し、
自分の内なるものと正面から向き合っているからです。

間違っているのは、寂しさ、孤独というものを、
外の世界の責任にして、
そのはけ口を、外の世界に垂れ流し、吐き出すこと。
そのように自分は思います。


まあ、なにはともあれ、「Captain of the ship 」異色の名曲です。
その諦めの悪さ一度は聴いてみてください笑

https://m.youtube.com/watch?v=yH-up7oYYEI



以前、長渕剛「Captain of the ship 」について書いた記事