らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】レオナルド×ミケランジェロ展 3








「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。それを発見するのが彫刻家の仕事だ。」
                
                                                                                           ミケランジェロ




今回この美術展で最も印象に残った作品のひとつが、
ミケランジェロの彫像でした。





「河神」


筋骨隆々とした筋肉美。
一つ一つの部位を見ると極めて強調的にデフォルメされているようにも見えますが、
全体的としてながめると不自然さを感じません。





トルソーは、顔や手足の部分が無い胴体部分のみの作品ですが、
今まさに呼吸をし、こちらを向いて動き出そうとする躍動感が感じられます。
まるで五体揃って横たわっているような不思議な安定感。

作品が、見る者にイマジネーションを引き出す力を持っているのです。





ミケランジェロ「男性のトルソー」










筋肉のつき方のデッサン。
決して感覚的に描いているのではありません。
合理的で、その筋肉の動きが理にかなっている。
だからこそデフォルメが不自然に感じないのだ。
そのように思います。


ミケランジェロのデッサンも美しいと思いましたが、
彫像はそれを上回る美しさと力強さがあります。

ミケランジェロにとって絵画とは、紙に描いた設計図のようなものであって、
それが彫像として形になることにより、命を吹き込まれて浮き上がってくる。
そんな感じがします。


今回の美術展の、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロと並みいる展示作品の中でも、
ミケランジェロの彫像は圧倒的な存在感を放っていました。

その存在感に思わず目が吸い寄せられ、見ている者のイマジネーションを開放してしまう。
その場から心を離させない力に満ちているのです。






バチカンにあるミケランジェロピエタ
生きている間に一度は見てみたいと思っている作品です。