らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】君のハートにロックオン








この間のことです。
お昼の定食屋さんで、
おそらく50代の男性と20代の男性、同じ会社の人達であろうとおぼしき数人が、
テーブルを囲んで、おしゃべりをしながら、お昼を食べていました。
そこで、ふと耳に入った会話。
女性への口説き文句についての話、

50代男性「今は、女の子をくどく時に、君のハートにロックオンなんて言わないよね?」

(^_^;)・・・

聞いた瞬間、ダサいと思った。
心の底からそう思った。
刺す。そうも思った。大悪党だと思った。
(参考)https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/8152798.html


本当に恋愛でそんなフレーズが通用した時代があったんでしょうか(汗)
50代ぐらいの青春時代は、昭和の80年代のバブリーな時代だったので、
ひょっとしたら、あったかもしれない。
ある意味、南美希子さんの語録と同じ匂いがします。
https://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/13813665.html

今の時代、意中の女性に、
「君のハートにロックオン」などと言おうものなら、
どんなイケメンでも、挽回不可能なダメージを負ってしまう危険が(笑)


ところで、今月は万葉集の相聞(恋愛)歌をいくつか取り上げましたが、
千数百年前のフレーズが全く古いと感じませんでした。
しかし、君のハートにロックオンは、たかだか二十年前の流行ですが、とても古く感じます。

それはどうしてなんでしょう。

流行とはいわば、刺激です。
刺激というものは、それに接した者に強烈なインパクトを与えますが、
同時に、繰り返し、耳にし、目にすると、刺激が薄まっていき、やがて飽きられ、
他の新たな刺激に乗り換えられる運命にあります。
いわゆる、それが、昔のネタが時代を感じてしまうということなんだろうと思います。

万葉集の歌の心は、正岡子規も言っていますが、写実なんです。
自分の心の内にあるものの形象(かたち)を、
できるだけそれに沿った言葉で形造っていく。
実体があるんです。

刺激はそんな必要ありません。
一瞬、さっと相手を振り向かせればいい。
相撲の猫だましのようなものです。
実体はなくてもよいのです。

それが、千数百年前の歌に古さを感じず、
二十年前のフレーズに古さを感じてしまうゆえんではないかと思ったりします。





80年代といえば、自分的にはこういうイメージ。
五段階ギア式自転車欲しかったんですよ。












追記

この記事を書いてから、
そういえば、当時、胸キュンなんて言葉も流行ったなと思って調べてみましたら、
こんな歌のプロモーションビデオが出てきました。
まさか、坂本龍一さんがこんな歌を(^_^;)
こんなのがあるんですから、君のハートにロックオンが流行っていたとしても、
全然おかしくないですね(汗)