らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【映画】蛾人間モスマン






ゴールデンウィークの休日、しかし、風邪気味で家にいるしかないような日。
そんな時に見てしまうのが、こんな映画。





「蛾人間モスマン
http://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=1620787505


アメリカ人は、ゾンビ、サメ、ワニ、いろいろなものに襲われるのが好きですが、
今度は蛾です(^_^;)


アメリカの片田舎の小さな湖で、キャンプを楽しむ若者たち。 
彼らは、この町に伝わる伝説 「モスマン」 の怪談話で、一番年下の少年をからかっていたが、
夜中に、みんなで泳いでいる最中、
ふざけて少年の足を引っ張っているうちに、誤って溺死させてしまう。
動揺する彼らだったが、
自分たちには将来があると、みんなで口裏を合わせ、
真実を秘匿し、闇に葬ってしまう。

それから10年後、
それぞれ社会人として働いていた若者たちは、あの時以来、再会を果たす。
その日は少年の命日で、仲間で集まって飲み会をするということだったが、
ホテルにチェックインした女性が、洗面室の鏡を見た途端、
いきなり鏡にヒビが入り、モスマンが姿を現す。 
それが恐怖の始まりだった・・・


ここまで聞いて、あれっと思うかもしれません。
ちょっと待て。モスマンはひょっとして、
無辜の人を殺しながらそれを揉み消し、
のうのうと生きている悪人どもを
成敗しようとしているんではないかと気が付きます。

そう、モスマンは、邪悪なモンスターなどではなく、
悪を見逃さない桃太郎侍暴れん坊将軍のような正義の存在なのです。
そういう視点でみると、この作品、俄然輝きを増してきます。

次々と悪人どもを追い詰め、討ち取っていくモスマン
苦しみながら、悪人どもは悲鳴をあげて死んでいきます。

しかし、悪人もさるもの。
あらゆる手を尽くして逃げ切ろうとします。
しかし、モスマンにはこんな必殺技が。





鏡の中をすり抜けて現れる。
鏡でなくても、姿が写るものなら、なんでもいいんです。

これ、通常ならば、
モスマン、貞子みたいで、なんて気味の悪い怪物なんだ。ということになりそうですが、
それはモスマンの見たくれに惑わされています。

モスマンこそ正義なのです。
正義の使者が、悪を滅ぼすため、鏡の光の中から現れる。
そういう目で見ると、モスマン仮面ライダー系に見えなくもありません(笑)

また、モスマンをしつこくつけ狙ってきた盲目の老人が現れ、
「奴は殺すとき必ず相手と目を合わす。
だからワシは目が合わないように自分で両目を潰したのだ。」
北斗の拳のようなことを言っていますが、
モスマンにあっさり殺されます(^_^;)

目が合わなければ殺されないってガセだったのか(-_-;)
だったら、自分で目を潰した分、痛い思いをしただけ、
全く余計だったんではないのか(-_-;)

しかし、終盤、モスマンも、人の血を見過ぎたせいか、少々暴走気味で、
人殺しに関わっていない町の人も次々と襲っていきます。
まるで、暴走して制御が効かなくなったエヴァンゲリオンのようでもあります。

町の人々は、殺しを知りながら、みんな黙っていた。だから、殺したのと同じなのだ。
モスマンの行動を正当化する台詞なども吐かれますが、
やはりそれはちょっと苦しい。

最後、モスマンは、殺しの一味の女性を、あと一歩のところまで追い詰めますが、
最後の最後で返り討ちにあってしまいます。

時代劇で、桃太郎侍暴れん坊将軍が、ばったばったと悪を切り捨て、
最後に親玉を討ち損じ、返り討ちにあう。
そんな結末誰が想像できるでしょうか。

しかし、正義はしぶといのです。決して滅びることはない。
と匂わすところで物語は終わります。


この映画、他の人はどんな感想をもっているんだろうと、
Yahoo!の映画レビューを見ますと、なんと平均点1・6点(^_^;)
レビューのタイトルには、「見るべきところがまったくない」と題しているものもあります(笑)

しかし、決してそんなことはありません。
面白さとは、与えられるものではなく、自ら掘り出すものなのです。
ぜひ、ひまな時、ご覧になって、面白さを掘り出してみてください。
自己責任で(^_^;)




予告編です。
https://youtu.be/jB7heQE0q0E