らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りの歌】63 お正月(本歌取り)









猫と居り
猫と寝そべる
我が身かな
浮き世のことは
夢のまた夢


もぞ


今年のお正月は自宅でのんびり過ごしました。
今住んでいる家は、丘の上に建っていて、
箱根駅伝のコースから1キロくらい離れているのですが、
風に乗って沿道の歓声が聞こえてきました。
その微かに聞こえる歓声を耳にしながら、
猫をなでなでして、ひたすらにゆっくりと過ごしたのでした。

そのお正月のまったりした気持ちを、
実朝の短歌の記事で紹介しました、本歌取りの技法で詠んでみました。
http://blogs.yahoo.co.jp/no1685j_s_bach/15443103.html
見よう見まねのなんちゃって本歌取りではありますが・・・


今回の歌を読んで、ピンときた方は、歴史通の方とお見受けいたします。
そうです、これは豊臣秀吉の辞世の句に構成を似せているのです。


つゆと落ち 
つゆと消えにし 
我が身かな 
なにわのことも 
夢のまた夢


しかし、これは単なるパクリではありません(汗)

本歌取りのルールについては、小倉百人一首の撰者である藤原定家が定めまして、
大まかに申しますと、

・近年の80年ほど以内に詠まれた和歌は、本歌取りをしてはいけない
・本歌から取ってくる言葉は、せいぜい2句ほどにすること
・本歌と違った内容の歌にすること
・本歌は有名で、誰もが分かる歌であること

そして、このルールの意図するところは、

・「本歌取り」は、本歌の言葉を真似するだけではいけない。
・読む人が「どの歌のここの部分を取ってきたな」と分かることが大切。
・本歌とは異なる趣の歌を、新たに詠むことが望ましい。

ということだそうです。

要は本歌の味わいを残しながら、
その器の中に違った趣向のものを入れるという、
一粒で二度美味しい的なものが、本歌取りの醍醐味ということになるのでしょう。

本歌の無常感に対して、がらりと違う初春のまったり感を表現したつもりですが、
初めてにしては、まあまあな本歌取りができたのではないかと自賛しております(^_^;)

なお、本歌取りについて、もっと詳しく知りたい方に。
http://wakadokoro.com/learn/%E5%92%8C%E6%AD%8C%E3%81%AE%E5%85%A5%E9%96%80%E6%95%99%E5%AE%A4-%E3%80%8C%E6%9C%AC%E6%AD%8C%E5%8F%96%E3%82%8A%E3%80%8D/




まーったり