らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】リオ・オリンピック 輝かしき銅メダリスト達







リオデジャネイロ・オリンピックたけなわです。
開催前は工事の遅延やら、ジカ熱の蔓延など、いろいろと危ぶまれましたが、
とりあえず、さしたる支障を来すこともなく、自分も楽しみながら競技を観戦しています。

今回日本選手の活躍は特に素晴らしいものがあります。
金メダルの数はアメリカ、中国についで三番目とか。
これは今だかつてない快挙ではないでしょうか。

しかしながら、今回は、金メダルでなく、
第3位の競技者に与えられる銅メダルについての話をしたいと思います。

銅メダルは金メダルに比べますと、どうしても色はくすんでますし、
価値的に一段低いもののように思われていますが、
自分的にはちょっと違う感覚で捉えているところがあります。

いわゆる3位決定戦というのは、銅メダルを争う戦いですが、
勝てばメダリスト、負ければメダルなしという、
競技者にとっては天と地ほどの開きがある結果をもたらす戦いであり、
そのプレッシャーたるや計り知れないものがあると感じます。

決勝進出を逃し、心くじけているところもあるかと思います。
しかし、自らの心を律して立て直し、次の戦いに備え、
ノンメダルのプレッシャーに打ち勝った者だけが、栄光を手にすることができる。
それが銅メダルなのです。

オリンピックは参加することに意義がある
だから楽しめばいい。
というのは傍観者の感覚であって、
やはりアスリートたちは本能的に更なる高みを目指しているものです。

現在日本の銅メダル獲得数世界でダントツの13個。
己を律し、メダルへの執念を叶えた証したる銅メダルの数。
これは金メダルの数にも勝るとも劣らぬ誇るべきことだと自分は思っています。



その数ある銅メダルの中でも、最も自分の印象に残ったもの。
先日の卓球男子個人の水谷隼選手。






今回日本の卓球陣は女子の福原愛選手の4位など善戦しましたが、
いまだメダルに届くことありませんでした。
やはり中国の層はとてつもなく厚い壁で、それを打ち破ることは至難の技なのでしょう。


水谷選手も準決勝で絶対王者といわれる世界ランク1位の中国の馬龍選手と対戦しました。
馬選手はその前の準々決勝では相手に19ゲームしか与えない、
まさにパーフェクトゲームで勝ち上がっており、
水谷選手も3セットを立て続けに取られ、あっという間に後が無くなりました。


しかし、ここからが凄かった。

その激しい打ち合いは、球技というよりは、至近で技を繰り出す格闘技のようであり、
それに猛然と打ち勝った水谷選手は、絶対王者から2セットを連取。


水谷選手は戦いの最中、相手の馬選手の緊張を看取っていたそうです。


熱い闘志のみならず、クールな冷たい頭脳も併せ持っていた水谷選手。
残念ながら、大善戦の末、破れてしまいましたが、
その戦いの気迫を、そのまま第3位決定戦に持ち込めましたね。
水谷選手の勝利は、準決勝の驚異的な粘りにより、引き出されたといってよいかもしれません。

素晴らしい。本当に素晴らしい。


このメダルは彼自身のみならず、日本の卓球界において、
続く後進への確かな楔となり、道を広げてゆくものとなったことでしょう。

こういう素晴らしいドラマがあるから、
やっぱり自分はオリンピックを観てしまうんです。