らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【映画】雨に唄えば





                               https://youtu.be/D1ZYhVpdXbQ



雨に唄えば

1952年 アメリ

出演者 ジーン・ケリーデビー・レイノルズ、ドナルド・オコーナー他
監督   ジーン・ケリースタンリー・ドーネン
音楽   レニー・ヘイトン



6月のテーマ「雨」の最後の記事は、
この「雨に唄えば」のジーン・ケリーの雨の中のダンスシーン。

この作品、サイレント映画からトーキーへの過渡期の、
映画俳優達のドタバタを描いたコメディチックなミュージカル映画で、
そのストーリー自体もなかなか興味深いのですが、
今月のテーマは「雨」ということで、
今回は、ジーン・ケリーの、この有名なダンスシーンについてだけ述べます。

雨というと、普通は、じめじめとして湿っぽく、不快で、
服が濡れてしまって嫌だというような
マイナス的イメージが先に浮かんでしまうものですが、
大好きな彼女を家まで送って、
帰り際に優しい言葉をかけられ、甘いキスをしてもらった男の心は違います。

こんなにも楽しげに雨と戯れる人を見たことがない(笑)
まるで雨とダンスしているかのよう。
見ていると、こちらまでウキウキとして、雨が愛おしいものに感じられてしまいます。

ジーン・ケリー、かなり派手に雨と戯れていますが、
これって幼い子供が雨と戯れている絵と同じですよね。
長靴で水たまりにわざとジャンプしたり、バシャバシャやったり、
雨を跳ね返すために傘をくるくる回したり、
壊れた雨樋から流れてくる水を傘で受けに行ったり。

見ていて、幼い時分の雨の日の気持ちを、ふと思い出したような心地になりました。
それは大人になって、すっかり忘れてしまっていた気持ちだったのかもしれません。


この映画のダンスの振り付け師は、振り付けを考える際に、
ちっちゃな子どもが雨と戯れているのを見て参考にしたに違いありません。
絶対そう思います。


それにしても雨はしとしと降り続きます。
でも雨は何ら変わりない。
人が変わったんですよね。
人が変わることで、こうも見える世界が変わってくるものかと。
おそらく世界とは、そのようにできているものなのでしょう。