【字余りの歌】58 今年の桜
今年の桜は恵まれなかった
春が来てせっかく花を咲かせたのに
薄曇りの日に花が灰色のくすんだ空の色に溶けこんでしまったり
冬のような底冷えのするような日が何日も続いたり
そして今満開を迎えた桜は
つめたい大雨の中
大粒の雨粒の重みに耐えかねて
次から次へとはらはらとその花びらを散らしてゆく
しかしそれでも桜は
その一筋な気持ちで静かに咲き続ける
来年も、そしてそのまた次の年も
おそらく同じように
今日首都圏は一日どしゃ降りに近い大雨でした。
朝出掛ける際、せっかく桜も満開なのに、かわいそうだなと、
少し憐れみの情をもって桜に近づいた自分は、
桜が発している気のようなものにふれ、思わずハッとしました。
それはとても力強く凛としており、
憐れみなど受ける余地のない、立派で素晴らしいものでした。
人は強くあれ。とよく言われることがありますが、
強いとはどういう意味でしょうか。
それは自分の力を他人に誇示したり他人を支配することなどではありません。
その答えは今日の雨の中の桜がもっているような気がします。
追記
雨の桜をぜひ画像にと必死に頑張って撮ったのですが、
いかんせん写真の腕前が至らず、申し訳ない限りです(-_-;)
このモチーフで桜の写真を撮られた方、
いいものがありましたら、ぜひともトラックバックしていただきたく思います。
よろしくお願いいたします。