らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】「横たわる裸婦」ミレー

 
 
 
 
 
 
 
 
女性の美しさのひとつは背中の表情にあると思います。

自分も年頃の男性なので、女性の正面にも興味はありますが(笑)
正面にはいろいろ個性的なパーツが多くて、焦点が定まらず(^_^;)
女性の微妙な、デリケートな表情が今ひとつ見えにくいところがあります。

 
例えば、これは同じく展示してあった
ジュール・ルフェーヴル「真理」という作品ですが、

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/f2/32949cfe66ce8f4ccc696a46301554d8.jpg

このようにあられもない姿で正面から堂々と
「真理!」と言われると、おっしゃる通りでございますと
ひれ伏すしかないのですが(笑)
作品を見た瞬間のインパクトは認めるものの、
なぜか今ひとつ情感が広がってゆかないところがあります。

自分にとってのこの作品は見た瞬間のインパクトという点で、
ポスターに近いものということができるでしょうか。


一方、背中は平らかで一見何もないけれど、
女性の表情がとても豊かに表れるパーツだと感じます。
もし自分が油絵をやっていて女性の裸体画がテーマとなったら、
迷うことなく背中の表情を描くと思います。


この作品の、背中を向けてベッドに寝そべっている女性。
けだるそうでもあり、泣いているようでもあり、猫のように丸まって寝入っているようでもあり、
どうもなぜだか気になって、
顔をのぞき込みたいような気持ちにかられます。

 
女性の背中が物語るもの。
それは絵を見る者の心と結びついて無限の表情を生み出すもののように感じます。

ですから、世の女性の方々に僭越ながら申し上げます。
鏡に見える正面ばかりに気を取られないで、
御自身の背中の表情に気をつけてみてください。
ひょっとしたら、自分でも気付かなかった魅力的なものが、そこにあるかもしれませんよ。