らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】一発逆転の一言 ~恐ろしき人たち~三編



世の中には、或る人の何気ない一言で、
今までの積み上げてきた固定概念が、
いとも簡単にひっくり返されてしまうことがよくあるものです。
その中には、イメージが完全に上書きされてしまって、
前のイメージが思い出せなくなってしまうほど刷り込まれてしまうものも。
それは良きにも悪きにも・・・・



ベニスの商人

あれは中学の社会科の授業でのこと。
先生は三十代半ばの笑顔が爽やかな男の先生でした。

その時、授業はシェークスピアの説明をしており、
黒板に、
「え~、シェークスピアの代表作はロミオとジュリエットマクベスベニスの商人…」
とつらつら書き始めました。
一通り書き終えた先生は生徒たちの方を振り返り、
こぼれんばかりの爽やかな笑みを浮かべながら一言。

「ペニスの商人と間違えるなよ。」


中学生ってそういう話大好きじゃないですか(^_^;)
それを聞いたクラスの男子はほぼ全員スタンディングオベーションでしたね。
どんな商人なんだよ。って感じで。
女子はかなり引いてましたが(笑)
 
というわけで、好奇心を刺激され、
シェークスピアで唯一きちんと読んだことがあるのがこの作品。

その先生の授業も、そのシーンしか記憶に残っていません。
しかし、いまだに「ベニスの商人」の題名を目にした瞬間、
先生の一言がフラッシュバックしてしまうことがあるんです。


R18っぽいネタで申し訳ありませんm(_ _)m




シャンボール城

あれは20代の頃、フランス旅行での出来事。
パリから車で1時間半ほどのところにある
ロワール渓谷中世城巡りのオプショナルツアーに参加した時のこと。
バスの中は全員日本人旅行客で、ガイドは日本語が至極達者なフランス人の方。

パリ郊外の平原をバスで駆けきると
しばらくして風光明媚な中世の城が現れてきました。
その中で特に目を引いたのが異形な構えをしたシャンボール城




ガイドさん
「あれ、あの向こうに遠目に見えるあの城ね、
世界遺産シャンボール城っていいまして、
ロワール渓谷最大のお城です。
屋根の上のたくさんの突き出た塔が面白いでしょ。」

説明された日本人観光客は一斉にその方向を向き、
「わあー、美しいお城ね。」「屋根の装飾が面白いね。」などと口々に賞賛のおしゃべり。
自分も屋根の上に施された幾重にも突き出た尖塔を、
もっと近くでじっくり見てみたいものだと思いました。

その時です。
自分の前の座席に座っていた七十前後くらいの老夫婦がおもむろに、
「お母さん、あの家、屋根にたくさんの、ありゃ、工場の煙突か?なんだありゃ!?」
「あら、ホントですね。中で何を作っているんでしょうかね。」

このご夫婦は今さっきのガイドさんの話を全く聞いていなかったのか(-.-;)
その後もお二人の工場話のおしゃべりはしばらく続きました。


しかしですね、薄曇りの日に、遠目から見ると、
その気持ちわからなくもないんですよ。
ちょっとオシャレな工場に見えなくもない(^_^;)

というわけで、それ以来そのイメージから抜け出すことができず、
世界遺産及び世界の城の傑作に必ず選ばれるシャンボール城は、
オシャレな工場として自分の脳深くに記憶されてしまっているのです。




千家国麿さん」

祝 高円宮典子様と出雲大社宮司千家家の長男国麿さんとの御婚約内定
 

 

会社のお昼どき、ちらっとこの話題が出た時、
おしゃべりしていた相手の女性の名前はあえて申しませんが、
次のような会話が…

「…ていうわけで、結婚相手の男の人は、
ヤマタノオロチを倒した神話の
素戔嗚尊スサノオノミコト)に連なる由緒正しい家の人で、
この人で第85代目なんだって。」

自分の言うことにいちいち頷(うなづ)き、
ふんふん言いながら聞いていた彼女がここで一言。

「へえー、そうなんですか。
でも、この方、難しいお名前ですね…
これって…なんてお読みすればいいんですか。
こくまろさんですか?」


あ~ 素戔嗚尊に連なる由緒正しいお方の名前が、
もはやカレーのルーにしかイメージできない\(^ー^)/