らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【閑話休題】もぞ流青空文庫の選び方

実は昨日は会社の新年会でした。
とある横浜市内のホテルで行われたのですが、
ビールとワインとウイスキーをちゃんぽんで飲んでしまい、
若干世界がぐるぐる回るような状態に(^_^;)

そのため、昨日の夜、ブログにコメントなどいろいろ書こうと思っていたのですが、
果たせませんでした。
どうもすみませんでした(-.-;)
この三連休でぼちぼちとやっていこうと思っています。

それでは本題に入りますが、
1月の総括でも申し上げましたけれども、
青空文庫の何を選んで読んだらいいかわからない、
ということを言われることが、たまにあります。

そこで今回は、自分流の青空文庫の選び方というものを述べてみたいと思います。
あくまで自己流の主観的な方法ではありますけれども。

まずその前に、自分がなぜブログの文学の記事を、
青空文庫の作品に限定しているかということですが、
それは記事を読んでいただいて、
その気になれば、すぐその作品を読んでいただくことができるからなんです。

新刊だとそうはいきません。
青空文庫収録であれば、
パソコンもしくは携帯があれば、
誰でも瞬時に無料でアクセスすることができます。

青空文庫は皆さんご存知の通り、
50年間の著作権が切れた作品を収録しています。
著作権が切れた作品は、ある種の公共財産のようなものであり、
文学史上の数々の宝が眠っている宝の山のようなものです。

自分は、モバイル版でない通常の青空文庫を携帯で読んでいるのですが、
片手でも取り扱える携帯機器で、
なんと1万以上の作品を読むことができます。

紙の本にすると、ちょっとした図書室並みになる膨大な作品を
いつでもどこでも瞬時に読めるというのは、
本当に魔法みたいなもので、
それを活用しないのは、実にもったいないことです。

ですから青空文庫という膨大な宝の山を
ひとつひとつ掘っていってみようというのが、
自分のブログのおおまかな趣旨というわけです。

では1万にも及ぶ作品の何を選べばいいか。

基本的に自分の好きなものを選べばいいと思うのですが(^_^;)、
なかなか決められないという場合、
自分は、次に述べる2つの方法で作品を決定しています。


「カーソル・アト・ランダム方式」

いかにも大げさなネーミングなんですが(^_^;)、
要はパソコン(自分の場合は携帯ですが)の画面を見ないで、
青空文庫のインデックス(目次)の画面上を出鱈目にカーソルを動かして、
その結果当たった作品を読むというやり方です。

目で目次を追ってゆくと、
どうしても自分の好きなものばかり選んでしまい、
一定の作家の作品などに片寄りがちです。

しかし、この方法はサイコロを振るようなものですから、
何が出てくるかわかりませんし、
自分自身何が出てくるのだろうという楽しみもあります。

この方法により、今まで自分が知らなかった、
八木重吉や平山千代子、久坂葉子といった人達の作品を知るきっかけとなりました。
あとダンテ「神曲」のように、いつもだったら大作過ぎて尻込みしてしまうようなものも、
読むことができました。

自分のブログの文学作品の記事で、
皆さんがご存知ないような作家の作品が多いのは、
このような選択方法を採用しているからなんです。

この方法はいろいろ応用できて、
例えば太宰治の中で何を読んだらいいか迷っているというのであれば、
太宰治の作品内でカーソルをアトランダムに動かせばいいのです。

この方法によれば、きっと文学の神が、
あなたに出逢わせるべき作品を
選んでくれるはずです(^^)というところです。



「インデックス活用方式」

青空文庫では作品のインデックス検索というものができます。
このインデックスは作者によるものと、作品によるもの
の二種類があります。

インデックス(目次)は、通常は、
自分が具体的に探している作家や作品があるのか、確認するためなどに用いますが、
ここでは通常とは少し違う用い方をします。

例えば、先日、上村松園「母への追憶」という作品を読んで、
作者の母への思い入れのようなものに大変共鳴しました。
そこで他の作家で「母」について書かれている作品はないかと、
作品インデックスの「は」で検索してみます。

すると
「母」と題する作品には、
坂口 安吾ネグリ アダ 上田 敏訳、芥川 竜之介、太宰 治、宮本 百合子
の5人が作品を書いていることがわかります。

絵でりんごを描けといわれたら、
ピカソゴッホシャガール上村松園では全く違うりんごになるように、
「母」というものも、作家によって、
感じるところ思うとこれはそれぞれ異なるはずです。
そこで、この中の全部を読めとはまでは言いいませんが、
好きなものをいくつか読んで、
それぞれの作家の「母」のモチーフや考え方感じ方の違いというものを楽しむのです。

その他、もうすぐ春だからというので、
「春」で作品検索してみますと

「春」
横瀬 夜雨、宮本 百合子、太宰 治、豊島 与志雄、岡本 かの子、
牧野 信一、竹久 夢二、長谷川 時雨、山村 暮鳥、芥川 竜之介

なんと10人もの作家が作品を書いていることがわかります。

作家それぞれに心にもって感じている「春」というものがあるでしょうから、
お好きな作家、気になる作家の作品をいくつか選んで、
それぞれの「春」というものを味わっていただければと思います。

味わっていただければ…
と突き放しておしまいというのも、ちょっと不親切なので、
今、例に挙げた「母」の作品の中から、
太宰治坂口安吾の作品を近日中連続で記事にしてみようと思います。

作家によって「母」というもののとらえ方が、
どう異なるのか浮き彫りにしながら、
記事が書ければいいなと思っています。

「春」については3月にでも。
3人くらい選んでやはり同じように。
先のセンター試験の小説で出題された牧野信一の作品もあるので、
これは外せないですね。

とまあ以上こんな感じです。

その他にも、青空文庫の作品、こんな選び方もあるというのがあれば、
自分も参考にしたいので、
ぜひ教えていただきたく思います(^^)