らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

「朝顔日記の深雪と淀君」上村松園


この作品は、生涯、日本女性を描き続けて、
その理想の美しさとは…ということを追求してきた日本画上村松園が、
当時の大正時代の女性の風俗に、忌憚なく苦言を呈した文章です。

結構、最初から全開でいろいろなことを言っているんですが、
強引にまとめますと、
松園は自分がその美しさを追求してきた女性の姿が、
あまりにもぞんざいに、安易に扱われているのが我慢できなかったんでしょう。
世の人々に、もっと女性の美しさというものに敏感になれ。
と声を大にして言いたかったのでしょう。
その気持ちはすごくわかります。

しかし、読んでいると、文章の語調や語気が強く、
何か読んでいる自分が叱られているような気になってしまいます(^_^;)

曰わく
「強いて言えば現代の風俗が一番芸術味に乏しいと思います。
少なくも私は現代のハイカラ姿が一番嫌いです。
現代は女の扮装法にしましても、化粧法にしましても
昔に較べれば、較べものにならないほど
各方面とも著しく進歩して便利になっているはずですのに、
なぜその風俗が非芸術的に見えるのでしょう。
それは、女自身がそれぞれ自分の性質なり姿顔形なりに
しっくりふさわしいものがどれだというしっかりした考えがなくて、
ただ猫の目のように遷り変わる流行ばかりを追うからだと思います。」
 


これは今現在においても、全く同じことがいえるでしょう(^^;)

ところで、「流行」というと、自分は物心ついた80年代以降のものしか認知していませんが、
当時は、10年おきぐらいに、こんな感じのものが流行してました。

まず80年代。





歌手の松田聖子さんのヘアスタイルを真似した、
いわゆる聖子ちゃんカットです。
今みると髪がものすごいボリュームに感じますが(^_^;)、
学校の女の先生も、親戚のお姉さんも、友達のお姉さんも、
みんな、このを髪型していたような(^^;)
この頃は、アイドルがどういう髪型をしているかということに非常に関心が高く、
みんな真似していたような気がします(^^;)


そして自分の青春時代真っ盛り、90年代。




このかぶきもの達の群れは一体何なんでしょう(^_^;)

この時代はいわゆるワンレンボディコンですよ。
ワンレン、つまりワンレングスの髪型は、オシャレを自認する女性は、みんなしてましたね。
一歩間違えると、長髪のゲゲゲの鬼太郎みたいになっていた人もいましたが(^_^;)

そのワンレンボディコンの連中の根拠地が、ジュリアナ東京でした。
正確にいうと、大学で東京にいた頃と、
少々時期がずれてしまって、自分は行ったことないんです。
一度生で、ジュリアナ見てみたかった(^_^;)


そして00年代。




いわゆるガングロ&ルーズソックスってやつです。
なんで顔を黒くするのが流行ったんでしょうか(^_^;)
中にはこんなアフリカの部族みたいな人もいました。


 
 
若い女性全員が全員ではありませんが、
首都圏の女子高校生の間で根強い勢力を誇って、新宿や渋谷を闊歩してましたね(^_^;)


もし松園先生御存命ならば、
聖子ちゃんカットを見て苦虫をつぶし、
ワンレンボディコンを見て仰天し、
ガングロギャルを見て、卒倒しちゃうんじゃないでしょうか(^_^;)
 


では松園の理想の女性はというと、これが、題名の、朝顔日記の深雪と淀君の2人です。

深雪(みゆき)というキャラ知らなかったんですが、
人形浄瑠璃・歌舞伎の情話「生写朝顔話」に出てくる内気で淑かなキャラの女性のようです。





しかし…こんな雪のように色白で、髪がカラスの濡れ羽色な人、
実際見たことないなあ(^_^;)

なお、もう一方の淀君は、言わずと知れた歴史上の有名人ですね。
戦国一の美女と謳われたお市の方の娘ですから、
まあ美しい女性だったのでしょう。
松園は、勝気で男優りと淀君を評していますが、
残念ながら淀君の絵を描かずして、この世を去りました。
もし描いていたとしたら、どんな構図で、どんな着物を着せ、どんな表情だったのか、
大変興味がありますね。