らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

「古事記物語」‐プロローグ‐ 鈴木三重吉

 


なんでも2012年の今年は、古事記の完成から1300年にあたるとか。

青空文庫には「古事記」そのものはありませんが、
鈴木三重吉古事記物語」が収録されています。
この作品は児童に読みやすいよう古事記を物語風にアレンジしたもので、
古事記そのものの直訳ではありません。
しかし戦前と違い、日本古来の神話に縁遠くなっている現代の大人にも
十分読むに足りる内容になっています。

両者の簡単に違いを言いますと、古事記の方は登場する神様の数が更に多く、
描写が少々R18指定気味というところでしょうか。

この作品は古事記の入門編とでも思っておけばよいと思います。

これを読んで飽き足らなくなったり、もっと細かく知りたいと思った方は、
古事記そのものをお読みになればよいのではないでしょうか。


さて簡単に古事記について説明しますと
現存する日本最古の歴史書で、
稗田阿礼天武天皇の勅で誦習した帝紀および先代の旧辞太安万侶
元明天皇の勅により撰録して712年献上。

稗田阿礼ですが、当時28歳の聡明な人で、
目に触れたものは即座に言葉にすることができ、耳に触れたものは心に留めて、
忘れることはない能力をもつとのことで、古事記の内容を全部暗記していたわけです。
普通の記憶術とかでは到底追いつかない膨大の量の話をどうやって暗記したのでしょうか。
サヴァン症候群の気のある人だったんでしょうか。

なお古事記の書名はもともと固有名詞ではなく古い書物を示す一般名であり正式名ではないとの事で、
今の今まで自分は知りませんでした。

古事記の構成は上つ巻(序・神話)、中つ巻(初代神武天皇から十五代応神天皇まで)、
下つ巻(第十六代仁賢天皇から第三十三代推古天皇まで)の3巻より成っており、
古事記物語は主に上つ巻から話を抽出しています。

古事記及び古事記物語は神々による天地創造の記述から始まります。
天地創造を描いた書物として真っ先に思い浮かぶのが聖書ですが、
両方の内容の比較や、やはり多くの神々が登場するギリシャ神話との比較などは
なかなか興味深いものがあります。

読み出すと結構ハマるかもしれませんよ。

古代の日本人の意識、物の考え方という意味でも、興味深いところが多々見受けられます。

ゴールデンウィークに読んでみて、
5月中にちょっと連続して何回か古事記物語についての記事を書いてみようと思います。

とりあえず最初の方だけですけれども(^^;)



画像は奈良の大和郡山市にある稗田阿礼を祀っている賣太神社です。