らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

「熟少女仮面」第4話 猛虎襲来編 前編

 

 

「この作品はフィクションであり、
実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。」



皆さま、お久しぶりです。
雪乃です。

ぼうっとしている間に、桜の季節もあっという間に過ぎ去り、はやゴールデンウイーク。

ぼやぼやしている間に、ただ、一さいは過ぎて行きます状態ではありますが、
何をどうするわけでもなく、
相も変わらず、のたのたと専業主婦をしております。

もちろんトレーニングも週2回のペースで続けております。

ただ最近、トレーニングの際には、
顔の仮面を外し、コスチュームの上にピンクのウェアを着ております。

といいますのは、
花粉用マスクなどしていらっしゃる方ならわかると思いますが、
顔に覆いものをして運動しますと、顔の暑さと汗の量が尋常でないため、
30分としないうちに、顔のお化粧が全部落ちてしまう…という問題点が。
いざという時に着用すれば十分なのではないかと。

あとコスチュームだけですと細かい擦り傷をしやすいので、
ウェアを羽織っています。
こちらも、いざという時にウェアを脱ぎ捨てれば十分なのではないかと。


そんなこんなで、いつもの神社でトレーニングをしておりましたら、

すぐそばの杉林で何か気配がします。

よくよく目を凝らして見ると、
何か黄色い大きな物体が林の中をすばやく移動してゆきます。

「何?!」

「動物?!」

恐る恐る近づいて追跡してみますと、
物体は私からどんどん逃げてゆきます。

「ちょっと!逃げないで!待ってください!」
思わず声をかけると、
その黄色い物体は、ビクッとして止まりました。

近づいてみると、それはホンジャマカの石塚さんにも似た、
非常に大柄で、ふくよかな女性でした。
黄色ベースに黒い模様のコスチュームは、虎をモチーフとしたデザインなんでしょうか。

彼女は私の顔を見るや、ひたすら
「ごめんなさい、ごめんなさい。本当にごめんなさい」
となぜか平謝りに謝り始めました。

いきなり謝られても??なので、
とりあえず神社の石段に腰掛け、話を聞くことに。

それによると、彼女は、よし子さんというお名前で、
最近ダイエットのためジョギングを始めたそうなんです。
でもなんとなくつまらなくて、いつまで続くか…と思っていた矢先、
神社で私がトレーニングしているのを偶然見かけて、
こういうコスチュームの楽しみを作れば、トレーニングも続くのではないかと、
自分でも作ってみたそうです。

でも私に断りなく似たようなものを作ったので、悪いんじゃないかと思っていたそうで。

事情は全て把握しました。

よく見るとよし子さんのコスチューム、なかなか刺繍などきめ細やかで、
私も見習うところが多いんです。

「でも…、この虎のコスチューム、黒い模様が複雑で…よく作りましたね。素敵です」
と思わず誉めますと、

「雪乃さん、これ、虎じゃありません。
ばたふらいなんです」
はにかみ気味に、よし子さんは答えました。

「えっ…?ばた…ふらい?」
一瞬私は何のことかわかりませんでした。

「バタフライです。蝶です。アゲハ蝶なんです」

「!」

あ~~、なるほど…
言われてみれば確かに…

よし子さんの背中に非常に退化した羽みたいなものが…

アゲハチョウの黄色に黒い模様…

あ~、なるほど…

私、とんでもない誤解をしていたようで…
とんだ失礼を。

よし子さんの体格がいいので、つい…


なんでも彼女は学生時代を通じて、ずっとバスケットボールをされていたとのこと。
1人だと挫(くじ)けても2人ならトレーニングも続くだろうということで、
これから一緒にトレーニングすることにしました。

心強い仲間ができて嬉しい限りです。
持つべきものはやはり仲間ですね。



前編おわり