らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【絵画】展覧会「宮沢賢治・詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心」







横浜のそごう美術館において
展覧会「宮沢賢治・詩と絵の宇宙 雨ニモマケズの心」が開催中でしたので、
この前、仕事が早く終わったので行ってきました。

こちらのページの催しです。
http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/12/0329_miyazawa/index.html

展示作品は、棟方志功高村光太郎ら往年の巨匠のみならず、
2000年代の新しい時代のアーティストによるものまで、
主に挿絵の原画、その数250点ほどになります。
宮澤賢治の独自の世界観で綴られた詩や物語は、
今日に至るまで多くの芸術家たちに視覚的・聴覚的インスピレーションを与えており、
本展はそんなアーティスト達の作品を集めた美術展といえます。

作品は「銀河鉄道の夜」東逸子(1993年 くもん出版)、「オツベルと象スズキコージ(1993年 くもん出版)、
「ざしき童子のはなし」伊勢英子(1985年 講談社)、「やまなし」川上和生(2006年 三起商行)、
風の又三郎伊勢英子(1993年くもん出版) 、「日輪と山」宮沢賢治(制作年不明)など。

その他、「雨ニモマケズ手帳」などの展示などもあり、
なかなか興味深いものでありました。


文学作品を読むと、まず視覚的イメージがわきおこることがよくあります。
宮澤賢治の作品は、独特の擬態語、擬声語を用いて自然の情景を豊かに描き出しているので、
特にそういうことがあります。

自分に絵心があれば、
例えば宮澤賢治「いてふの実」の自分のイメージはこんなです。
というように、自作の絵を記事に掲載するという試みも、
実に面白いと思うのですが、
残念ながら絵心クイズに出場できるほどの腕前?なので(^_^;)

その代わりに、それを実現してくれたのが、
この展示会の作品の数々というわけです。

展示してある様々な作品を見てゆくと、
へぇー、この人はこんなイメージで作品のこの場面を捉えたのか…
というようにイマジネーションが広がり、見ているだけで楽しいものです。

自分のイメージにシンクロするものもあれば、そうでないものもありますが、
どちらも見るのは楽しいものです。

例えば、「いてふの実」で自分ならもっと金色が輝くように使うんだけど、
どうしてこの作者はこういう色合いにしたのだろうと考えたり(画像上参照)。

その中でも自分のイマジネーションを上回る美しさを感じたのが、
伊勢英子さんによる「水仙月の四日」の挿絵でした(画像中参照)。
空の深い青色がとても素晴らしく、それが純白の雪の色と絡みあって
幻想的で静かな世界を創り出していました。

できれば「よだかの星」も同じような青色で描いて欲しかったのですが(画像下参照)、
よだかの悲しい心情を描写したのでしょうか。
黒を基調とした挿絵となっています。

付設の売店で「水仙月の四日」の挿絵の絵はがき買いました。
本のしおりとして使おうかなと思います。

なお、この催しは明日明後日の2日間でおしまいです。
告知が遅れ申し訳ありません(^^;)
ただ付設の売店は入場料を払わなくてもいいところにあるので、
そちらをのぞくだけでも面白いことはいろいろ発見できると思います。

雨ニモマケズ」の詩が記された手帳の展示もあったのですが、
本当に小さなB6?サイズのものに、メモのように走り書いているんです。
その様子から、ひょっとしたら賢治は散策の際持ち歩いていて、
ハッと思いついて、その場で書き記したのかなと感じました。