らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】46 寒戻りの梅

寒戻りの
冷たい雨風の

夜明け前


一番に咲いた
小さな梅が


風に揺れ
ぐっしょり濡れそぼって

白い花びらを散らすまいと

ふんばっていた







今朝の横浜はときおり、強風が吹き荒ぶ、
ちょっとした春の嵐でした。

こんな天気でも朝の散策するの?
とおっしゃるかもしれません。

自分は朝起きると、
今日は寒いからどうしよう、雨だからどうしようとあれこれ考える前に、
サッと外に出て小一時間散策することにしています。

あれこれ考えるというのは、
つまりは中止にする理由を探していることなので、
それを思いつく前に外に出てしまうのです。

散策を終えて帰ってくる時ほとんど、
あー、行って良かったと満足して家に戻ってきます。

変な言い方ですが、
春のうららかな日中には決して見ることができない
外の風景というものがあります。

雨の音ひとつとってみてもそうですね。

朝の雨は、心に届く独特の音みたいなものがあります。
そういう意味では、
朝の雨は自分の良き友といえるのかもしれません。



「雨」
       八木重吉


雨の音がきこえる
雨がふってゐたのだ

あのおとのようにそっと
世のためにはたらいてゐよう

雨があがるように
しづかに死んでゆこう