【万葉集2011】19 年の経ば見つつ偲へと
今回感じ入った歌は
年の経(へ)ば
見つつ偲(しの)へと
妹(いも)が言ひし
衣(ころも)の縫目
見れば悲しも
詠み人知らず
年が経ったら
これを見て思い出して欲しいと
(別れ際に)妻が言った
その着物の縫い目を見ると
せつなくてたまらない
日本語には「心を紡ぐ」「心を編む」など
年の経(へ)ば
見つつ偲(しの)へと
妹(いも)が言ひし
衣(ころも)の縫目
見れば悲しも
詠み人知らず
年が経ったら
これを見て思い出して欲しいと
(別れ際に)妻が言った
その着物の縫い目を見ると
せつなくてたまらない
日本語には「心を紡ぐ」「心を編む」など
愛情の深さを編み物、縫い物に仮託して表現する言葉があります。
万葉の昔からひとつひとつの縫い目を心を込めて縫い上げる行為に、
万葉の昔からひとつひとつの縫い目を心を込めて縫い上げる行為に、
縫う人もその衣を着る人も思いを馳せてきたというのは切なくもロマンチックな感じがします。
手編みのマフラーなどのプレゼントされることが、
手編みのマフラーなどのプレゼントされることが、
今をもって男のロマンであり続けるのは(^_^;)
そういう思いが万葉の世から脈々と受け継がれているからかもしれませんね。
選者は作家の太田治子さん。
この名前だけでピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。
太宰治を父に、小説「斜陽」のモデルになった太田静子を母にもつ女性です。
太田静子は正式な妻でなく、いわゆる「想い人」というわけですが、
選者は作家の太田治子さん。
この名前だけでピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。
太宰治を父に、小説「斜陽」のモデルになった太田静子を母にもつ女性です。
太田静子は正式な妻でなく、いわゆる「想い人」というわけですが、
この歌を詠んで、母太田静子のエピソードを紹介しています。
「母はマフラーを縫って太宰にプレゼントしたことがあります。
太宰に似合う色がブルーだと思ってそれを贈ったのですが、
「母はマフラーを縫って太宰にプレゼントしたことがあります。
太宰に似合う色がブルーだと思ってそれを贈ったのですが、
既に太宰はグレーの襟巻きをしている。
どうやらそれは美知子夫人からのものとわかって、
もの静かというか陰があるというかちょっと不思議な雰囲気の人です。
普通の人の心がある場所よりもう一段奥深い場所に心があると言いますか。
普通の人の心がある場所よりもう一段奥深い場所に心があると言いますか。
といったものがあります。
興味ある方はぜひどうぞ。
興味ある方はぜひどうぞ。