らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【テレビ番組】巨人の星 恋愛編 日高美奈さん



オーロラ三人娘と別れて野球に打ち込んでいたはずの飛雄馬だが、ちょっとした気の弛みでスタンドにいる女の子にボールが当たり怪我をさせてしまう。
言い訳をする飛雄馬に付き添いの看護婦日高美奈は平手打ちを食らわせるのだった。
彼女は宮崎の山間部の過疎地の村にある診療所の看護婦で飛雄馬とおそらく同い年。
ほどなく惹かれ合うようになった2人はデートを重ねるが、オーロラ三人娘の時と異なり場所は自然の山野。
木橋を渡るのにお姫様抱っこをしたりしちゃっています(^_^;)

しかし宮崎キャンプが終わりに近づき東京に帰る日か近づいてきた飛雄馬は美奈さんと別れる決意をする。
美しい月夜の日南海岸
お互いに黙ってなにげに気まずい2人。
その時美奈さんが砂浜に落ちていた貝殻を拾ってフランスの詩人コクトーの詩を口ずさむ。

「私の耳は貝の殻。海の響きをなつかしむ」

実をいうと飛雄馬の姉明子もフランスの詩を好んで口ずさむ。当時流行っていたんだろうか。
サルトルとかボーヴォワールとかが流行った頃だからそうなのかも。

この時の飛雄馬の激白が猛烈に凄い(^_^;)

「美奈さんきみを!きみを見ていたい!じっといつまでもなにもかも忘れて…好きになったんだ!猛烈に!」
拳をふるわせ激白する飛雄馬(^_^;)

男性の皆さん、キーワードは「猛烈に」です。いざという時忘れないように覚えておいてください。

結局しどろもどろながら別れを切り出し美奈さんも納得するのだが、最後に尋ねる。
「最後に教えて、美奈のどんなところを好きになってくださったかを」

それに対して飛雄馬の(^_^;)?の激白。

「きみには…変なたとえだが、まるで二死満塁ツースリーの局面に立つように切羽詰まった迫力がある!」


普通の女の子ならここで引くところなのだが、美奈さん、さすが星飛雄馬と付き合うだけのことはある

「二死満塁…ツースリー…見抜いたのね星さん!」(^_^;)

それまで明かされていなかったが、美奈さんは難病に犯され余命いくばくもなく、残り少ない命を恵まれない人への看護に捧げているのだった。

昔のアニメは展開が早い。
もう次の回では美奈さんが危篤に陥る。
知らせを受け急いで山奥の診療所に向かう。
しかし今一歩間に合わず美奈さんは息を引き取る。
「顔にかかっているハンカチを取って死に顔を見てやってくれ」の促しを拒絶し、頭を抱えて泣きながら外に飛び出す飛雄馬
なぜかこの回だけは絵の線が太く劇画調になっている。
恋人の死を受け入れられない飛雄馬は奥深い山をさまよい、杉の木に頭を打ちつけ、額が割れて血が噴き出し辺りに飛び散ってもなおも頭を打ち続ける。
これは子供番組なのかと思わず思ってしまう迫真の描写。
意識朦朧となった飛雄馬は足を踏み外し崖から転落し身も心もぼろぼろの状態に(-.-;)
十回転くらい転がっているのでビルの七階くらいの高さの崖下に落ちたものと思われます(-.-;)

とにかく全編にわたって激しい飛雄馬の恋。
しかし考えてみれば生きてるのか死んでるのかわからない無表情な人生より、
滝のように汗をかき、滝のように涙を流し、表情豊かに猛烈に生きる方が
息を引き取る時、あー俺は生き切ったなあと大の字で臨終できるのかも。

星飛雄馬の真似をしろという意味ではありませんよ(^_^;)

なんだか最近愛されてないわという女性にもお勧め(^_^;)かな