らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】29 明けの月





「夜明け前の星空を見て詠む」



オリオンも
寝そべり眺む
明けの月



あれ?オリオン座って冬の星座じゃないの
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は夏でも見えるんです。
今なら朝4時頃、南東の方向に地平から少し上がったところに見ることができます。
冬に近づくにつれて地平から上がる時間がどんどん早くなり、
真冬になると夜空のど真ん中に見ることができるようになるわけです。

今は肉眼で見ることができる出始めの頃というところです。
出始めなのでオリオン座は横たわった状態で地平から出てくるわけですが、
それがちょうど寝っころがって上の方にある月を眺める格好になっていることから、
この俳句を思いつきました。
この3日間出張で4時起きだったので、それに気づき、見ることができました。


最近は朝焼けもきれいですね。
朝焼けは刻々と色彩が変わっていき幻想的ですらあります。
今日の朝焼けの画像を掲載しますが5分間の差で全然色違います。
でもこの画像だと本物の美しさの半分も表現されていないですね。
ちょっと残念です。

夜明けから朝焼けの描写が美しい作品といえば宮澤賢治「いてふの実」です。
銀杏の実の子どもたちが、日の出とともにお母さんの銀杏の木とお別れをするという話ですが、
刻一刻と表情を変える東の空の情景が、
銀杏の実の子どもたちの心情に絡めて叙情豊かに描かれています。
これは自分の経験からの推測ですが、
賢治は夜明けの星が瞬く頃から朝日が出るまでじっと東の空を眺めていたんでしょうね。

こんなにきれいな朝焼けなのに「夜景を見に行こう」と言われて喜ぶ女性は多々あれど、
「朝焼けを見に行こう」というのが流行らないのはなぜなんでしょうか。
「じゃあ朝4時に迎えに行くから」という流れがしんどいのかも。
「そんなに見たいなら1人で起きて見に行ってこい」とどやされそうですけれども(^_^;)

1人で見るには惜しい美しさなのでちょっと半分冗談で書いてみました(^_^;)