らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

プロローグ 森鴎外



JR三鷹駅からほど近い禅林寺太宰治の墓がある。彼の命日の桜桃忌のみならず彼の墓には絶えず花が手向けられており賑やかである。
しかしその向かいにある森鴎外の墓はひっそりとしたもので墓が花に彩られているところもあまり見たことがない。

どうみても太宰治の方がいろいろな人に迷惑をかけ、関わってきた女性をひどい目にあわせてきたと思うのだが、現在は太宰治の方が人気があるようだ。

森鴎外夏目漱石と並ぶ文豪とされているものの熱烈なファンというのをあまり聞いたことがない。
太宰治にハマったという話は聞くが、「私、森鴎外にハマってるんです。」という人には今のところ会ったことがない。

彼の生前の交友関係やエピソード、いつ何の病気で死んだかなどご存知の方はどのくらいいらっしゃるだろうか。

文豪で名前はみんなよく知っているのに詳しいことはよく知らないし、作品も実際あまり読んだことがない。

この理由を自分なりに考えると森鴎外はなんとなく固くて地味なイメージがある。
彼は陸軍省派遣留学生としてドイツに留学し、最終的に軍医総監に昇進するとともに陸軍軍医の人事権をにぎる陸軍省医務局長まで上り詰めた、いわゆるエリート軍人の医者の「お堅い人」であり、そういう経歴も影響しているのかもしれない。

一般的に目にする肖像は厳格な印象でちょっと怒っているようにも見え近寄り難い雰囲気がある。

しかし人間軟らかいものばかり好んでいると咀嚼力が弱まって虚弱になってしまう。
たまには固い近寄り難いものにもあえて近づいて、歯ごたえあるものをガリガリかじってタフに生きることも必要なことではないかと(^_^;)

森鴎外の作品をぱらぱらと見てみると社会的問題に関する視点は現代にも通用する、というかこの時代にこの問題点を指摘していたのかという鋭さを感じることがある。
確かにそれらは読んで楽しくなるものではないかもしれない。
しかしそういったことを一度くらい深く考えることは悪いことではない。

社会的問題等については認識不足で記事を書いてしまうこともあるやもしれないので、ご指摘いただければ再度作品を読んで熟考し必要であれば記事の改編もしようと思っている。

一応予定としては
第1回「高瀬舟尊厳死について
としている。

というわけでお楽しみにしていてください(というよりサボらないように見張っていてくださいの方が近いかもしれないですが(^_^;))。