【旅】東京都羽村市 まいまいず井戸
相変わらず、旅に行くことができない忙しめな日々を送っていますが、
遠くまで出向かずとも、近隣の出先で、偶然面白い史跡に出会うことがあります。
今回、発見したのは、こちらの史跡。
遠くまで出向かずとも、近隣の出先で、偶然面白い史跡に出会うことがあります。
今回、発見したのは、こちらの史跡。
何か字面だけを見ると、mymy’s というような英語的音感を感じてしまうものがありますが(^_^;)
れっきとした日本語です。
まいまいとは、いわゆる、かたつむりのこと。
従って、これは、「かたつむりの井戸」というくらいの意味になります。
かたつむりの井戸とはどのようなものなんでしょう。
その実物はこのような形になっています。
かたつむりのように、ぐるぐると渦を巻いて下に下りてゆく構造。
伝承によると平安時代初期、学術的調査によりますと鎌倉時代の創建と推定。
東京都西多摩地方と埼玉県の西部一帯、
いわゆる武蔵野台地にしか見られない珍しいものだそうです。
このあたりの武蔵野台地というのは、
表土を火山灰質の関東ローム層が覆っており、
その下には砂礫層が堆積していることから、地下水脈はかなり深く、
水を得るには深い井戸を掘らなければなりませんでした。
しかしながら、掘削技術の未熟な時代においては、
崩れやすい火山灰質及び砂礫層に直接竪穴の深い井戸を掘ることは困難で、
そのため, まず大きくすり鉢状の穴を硬い地盤まで掘り、
そこから普通に竪穴の井戸を掘るという方式を取らざるを得ませんでした。
こちらが、まいまいず井戸の断面図です。
地表面の直径約16m、深さ約4.3m、スリバチ状の窪地の中央に深さ約5.9mの堀り井戸が作られています。
水源まで約10m、地下3階くらいの深さまで、軟弱な崩れやすい地盤を掘り下げることは、
至難の業だったことでしょう。
そうまでしなければ、昔の人は生活水を得ることができなかったのです。
現代に引き直せば、毎日、地下室まで螺旋階段をぐるぐると降りていき、
そこで水を汲み、また螺旋階段を上がっていく。
そんな感じでしょうか。
非常に体力の要る大変な仕事です。
当時の人が、現代の、蛇口をひねるといくらでも水が出てくるというのは魔法に見えるでしょうね。
しかしながら、この過酷ともいえる水汲み井戸に、
「まいまいず」という愛称がついているのは、とても面白く思います。
最初に誰が言い出したのか、
千年も昔、母親が水を汲みに下りている間に、
最初に誰が言い出したのか、
千年も昔、母親が水を汲みに下りている間に、
上で待っていた子どもが、井戸がぐるぐる渦を巻いているのを見て言い出したのかも
と想像を巡らせたりします。
まいまい、即ちかたつむりというのは、ちょうど今時分、梅雨の時期に現れる生き物です。
水気の感じられるところにその姿を見ることができる、そんなまいまいにあやかって、
まいまいのような形の井戸に水の気配がいつまでも絶えぬように。
当時の人々のそうした祈りにも似た願いが、
その愛らしい名前にこめられているのかもしれません。
まいまい、即ちかたつむりというのは、ちょうど今時分、梅雨の時期に現れる生き物です。
水気の感じられるところにその姿を見ることができる、そんなまいまいにあやかって、
まいまいのような形の井戸に水の気配がいつまでも絶えぬように。
当時の人々のそうした祈りにも似た願いが、
その愛らしい名前にこめられているのかもしれません。