らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【クラシック音楽】リコーダーの魅力



 

あなたは楽器何ができますか?と尋ねたら、
ピアノやヴァイオリンなど習ったことのない方は
「私は何も楽器ができません。」
と答えるかもしれません。

しかし、そういう方に対して自分は言いたいんです。
「リコーダーができるじゃないですか。」

そうです。学校で誰もがマイリコーダーを持っていて、
音楽の時間に演奏していたあの縦笛。
学校の音楽教育でリコーダーを採用しているのは、
世界で日本とオランダの一部だけだそうで、
日本は、ほぼ国民の全員がリコーダーを演奏することができるリコーダー大国なんです。
これは科学技術力に勝るとも劣らない、
日本が世界に誇っていいことだと思います。

学校で使用していたのはいわゆるソプラノリコーダーというやつなんですが、
実はリコーダーには色々な種類がありまして、
一番小さなソプラニーノリコーダーから
ソプラノ、アルト、テノール、バス、一番大きいコントラバスリコーダーまで10種類ほどあります。
一番大きなコントラバスリコーダーなど、
まるで水道管を持っているように見えますね(^_^;)




リコーダーはバッハやヘンデル、ヴィヴァルディといった
バロック音楽盛んだった18世紀に盛んに用いられた楽器でした。
が、しかし、19世紀に入り、市民革命を経てブルジョワジーなどが台頭してくると、
社会の大衆化に伴い、クラシック音楽も大衆化し、
今まで貴族のサロンや教会という比較的小さな場所で演奏されていたものが、
大規模な専用ホールで演奏されるようになり、
曲も交響曲のような大規模なものへと移ってゆきました。

そうしますと大きな音を出すことができない木管楽器のリコーダーは次第に出番を失い、
代わって大ホールにも音響的に耐えうる
金管楽器のフルートなどが脚光を浴びるようになりました。
というわけで19世紀以降の曲でリコーダーが活躍するものを見つけるのは、
非常に困難なことになっています。

しかしながら、リコーダーの、あの素朴で清澄な音色は他の楽器では代え難い魅力があります。
まず自分が一番に挙げろといわれれば、やはりバッハでしょうね。

教会カンタータといわれるジャンルにリコーダーが多用されているのですが、
清澄なリコーダーの音色が、聖書になぞらえた厳(おごそ)かな曲の雰囲気を引き立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=Mc1Ve0TOF4c
(教会カンタータ第106番)

しかし、おごそかで清澄なばかりがリコーダーの特徴ではありません。

心やすらかにしっとりとした曲調のものや、
https://www.youtube.com/watch?v=qYiGX_D_OOk
世俗カンタータ第208番「狩りのカンタータ」)、

愉しげで心うきうきとする曲調のもの
https://www.youtube.com/watch?v=eWlfmepsUuQ
ブランデンブルク協奏曲第4番)
などを引き立てるパートナーとして、
欠かすことができない役割を果たしています。


あと、たかがリコーダーと侮ることなかれ。
ピアノやヴァイオリンに見られるような超絶技巧的演奏がリコーダーにもあるのです。
https://www.youtube.com/watch?v=CwSWIZ6V6pY
こちらのモンティの「チャルダッシュ」の演奏は、
指が10本では追いつかない感じの演奏です(^_^;)

半音上げたり下げたりする♭や♯って、
リコーダーの穴を半分開けないといけないのですが、
自分、この半分というのが上手くできなくて、
ピョロロ~というような変なかすれた音しか出せなかったんです(汗)
しかし、この人は♭も♯も完璧で、音に全く濁りがない。

このメガネくん、ただ者ではありません(^^;)
楽器が弾けるとはこういうことをいうんですね。

しかし、その凄さがわかるのも、自らリコーダーを弾いたことがあるからこそ、
気が付くものなのではないかと思うのです。


なお、世の中にはリコーダーの可能性を追求し、
自ら色々な演奏されている方がいらっしゃいます。
この方はクラシックからポップス、アニメまで
自ら何本もの種類のリコーダーを吹いて多重録音しておられまして、
一体何者なんだ?という感じの方で、
世の中には才能を持った方が本当にいらっしゃるんだなと痛感します。

自分的にはクラシックの曲にどうしても惹かれますが、
お好きなものを聴いてみて、
リコーダーの素晴らしさにひたっていただければと思います。