らんどくなんでもかんでもR

はじめまして。文学や美術、音楽、そして猫のブログをしています。 よかったら、のぞいてみてくださいね。 Nice to meet you. I write about literature, art, music, and cats.

【字余りのうた】44 初雪

明けの囁雨(ささめ)
白きに変わり
風に舞う



もうおとといの話になりますが、首都圏は今年の初雨が夜明け前に初雪に変わりました。

最初は囁(ささや)くような雨が静かに降っていたんですが、
夜明け直前くらいに風がにわかに吹き始め、
細かい雨が風に舞い上がって、
白く生まれ変わるのを見ました。
雪の誕生の瞬間というのでしょうか。

囁雨(ささめ)が空に舞い上がって、
次々と白く雪に生まれ変わってゆく情景はとても心に感じました。


その瞬間、イメージがパッと浮かんだのですが、
最終的な歌の形にするには結構時間がかかってしまいました。

ちょっと恥ずかしいのですが、
勉強のため公開しますと
一番最初つらつらと詠んでできたのは和歌の形でした。


囁雨(ささめあめ)
風に吹かれて
宙を舞い
白きに変わり
空に漂う


まず引っかかったのが、囁雨を「ささめあめ」と読んで五文字にすること。
このように読むことは時雨を「しぐれあめ」と読むことと同じで、日本語として稚拙だし、
もし許されるとしても、ささ「め」「あめ」と雨の意を二重に述べることで雨を強調しすぎ、
雪に変わるインパクトが薄れてしまうのではないかと。
それに囁雨は本来静かな語感の言葉ですから、騒がしすぎるとも感じました。

そこで本来通り囁雨「ささめ」と詠むことにしましたが、
組み合わせでなかなか五文字にならず、無理に五文字に押し込めるよりはと、発表の形にしました。

次に思ったのが、その後の七五七七も情景の描写として、やや間延びした感じかなということ。
「宙を舞い」「風に漂う」は同じような情景ですし、
その他もいかにもくどくど説明しているような感があって今ひとつかなと。

それでいろいろ考えているうちに煮詰まって俳句の形になりました。

ただ出来た句は季語がないことになるんでしょうか?厳密には俳句といえないのかも。
「白き」をなんとか「雪」に変えればよいのかもしれませんが、
自分が見たのは「雪」のイメージではなく、「白き」つまり雪の生まれたてですので、
「雪」と言ってしまうのは、自分の感じたものと異なるものになってしまうので、発表の形としました。

というわけで、最終的にできたのが冒頭の形というわけなんです。

もっとこうした方がいいというご意見ありましたら、ぜひともお願いいたしますm(_ _)m